2nd albumの「omelete man」は、ずばりそのまま「オムレツ・マン」。
ジャケットに卵焼きの絵が描いてあるが、なにゆえオムレツなのかは不明。
5曲目「Soul by Soul」、6曲目「Water My Girl」、7曲目「Tribal
United Dance」、11曲目「Busy Man」、12曲目「Cold Heart」など、
ピジン・イングリッシュを導入して言語的世界を掻き混ぜ、同時にバイーア
に居ながら世界を包み込むというスタンスを見せている。
3rd albumの「BAHIA DO MUNDO --mito e verdade--」は、「世界
のバイーア」という意味だろう。副題のほうは、「伝説と真実」といった
ところか。8曲めの「shalom」の冒頭でアザーン(イスラムの祈り)らしき
ものが使われているのが注意を引くが、題名も歌詞も意味がよくわからない。
いずりにせよ、ブラウンらしい「汎世界性」を感じさせる。
2nd albumの「O Cant da Cidade」は、「街(cidade)の歌(cant)」。
このアルバム名は1曲目の曲名でもある。「街」とはもちろん、サルバドール市
(通称バイーア)のことだ。力強い声で
A cor dessa cidade sou eu この街の色は、私
A canto dessa cidade e meu この街の歌は、私のもの
と歌い上げる。恋愛ごとを歌った曲は世界中にあるだろう。しかし、街への愛が
これほど熱く、これほど繰り返し歌われる場所は、他にない。そしてダニエラと
バイーアほどそれが似つかわしい関係も、他にない。
3rd albumの「Musica de Rua」は、「ストリート(rua)の音楽(musica)」。
路上で音楽に出会い、路上で演奏を学び、路上で踊る人々。バイーアにぴったり
のタイトルだ(このCDでも1曲目の曲名をアルバム名にしている)。ダニエラが
いかにこの街と不可分な存在であるか、よくわかる。
9曲目「Domingo no Candeal」は、ファベイラ(貧民街)ゆえに裕福な白人層
から敬遠されがちなCandeal(カンヂアル)という地区で、毎週日曜日(domingo)に
”貧民街を蔑視するな。聴きたきゃ、ウチへ来い”
というスタンスでチンバラーダが行なっているライブを讃えた歌。
12曲目「Por Amor ao Ile」は「イレーへの愛(amor)のために」という意味で、
ずばり、イレ=アイエに捧げた歌。
4th albumの「Feijao com Arros」は「フェイジョン豆と米(arroz)」という、
バイーア料理の基本的かつ象徴的な食材をタイトルにした作品。日本盤のタイトル
が「黒と白」とつけられたのは、ジャケット写真の印象からだろう。
1曲目「Nobre Vagabund」の「Vagabund」は、宮本武蔵をリメイクした人気
漫画 「バカボンド」と同じ意味。Nobreは英語のnobleと同じ。つまり、「高貴な
放浪者」ということ。
2曲目「Rapunzel」の由来は不明だが、"Julieta e Romeu"という歌詞
に出てくるところをみると「ロミオとジュリエット」になぞらえた恋愛歌だろう。
8曲目「A Primeira Vista」は直訳では「初めて見ること」というふうな意味に
なるが、もっと深い意味があるのかもしれない。
最新アルバム「Sol da Liberdade」は、「自由(liberdade)の太陽(sol)」という
意味。ここでも1曲目に入っている自作の曲のタイトルが、そのままアルバム名に
なっている。
バイーア市内にはLiberdadeという名の地区があり、ここはブラジル中で最も黒人
の居住率が高いことで知られていて、しかもダニエラが敬愛するIle Aiyeの本拠地で
あるから、そういうニュアンスを込めたのかもしれない。
8曲目「dara」(この単語は辞書に載ってなかった)も自作の曲で、歌詞の中に
「ナナン」「イアンサン」「オシュン」「イエマンジャー」等、オリシャンブレの神々>の名前がたくさん出てくる。
このアルバムにボーナス・トラックとして追加された「Como vai voce」は、
しっとりとした大人の歌。「ご機嫌いかが?」という挨拶だ。
前述の通り、1st albumは「Simone Moreno」で出ている。1曲目「Mulheres do
mundo」は「世界(mundo)中の女(mulher)たちへ」という、気宇壮大な歌。彼女は、
eu sou voce 私はあなた
eu sou Bahia...... 私はバイーア....
と歌ってサマになるんだから、ダニエラと比較されたのも無理はない。
2曲目にイレー=アイエ、3曲めにオロドゥン、5曲めにムゼンザを、それぞれ歌
詞に折り込んで讃えている。12曲めは黒人奴隷の歴史とカンドンブレの神々、そして
今日のサンバ=ヘギに至るまで、バイーアの姿を歌い上げている。
"より詳しく バンド名、アルバム名、曲名の解説"
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