2.MPBについて
Musica Popular Brasileira(ブラジルポピュラー音楽)の略。これは、バイーア
音楽に限定されるものではないが、バイーア発の潮流はブラジル音楽全体に強い影
響力を持ち続けており、MPBの主役たちの多くがバイーア出身なのである。代蕪Iなミュージシャンとして、
*カエターノ=ヴェローゾ Caetano Veloso
*ジルベルト=ジル Gilberto Gil
*ガル=コスタ Gal Costa
の三人を挙げよう。この三人がバイーアの生んだミュージシャンであり、「トロピ
カリズモ」の立役者であることは説明するまでもない。もちろん、MPBに区分さ
れるのはバイーア出身者だけではなく、
*マリーザ=モンチ Marisa Monte
*ジョルジ=ベン Jorge Ben
*ジャヴァン Javan
*ミルトン=ナシメント Milton Nasciment
*シコ=セーザル Chico Cesar
など、様々なバックグラウンドを持つ全国区のミュージシャンたちである。
ただ、シコ=セーザルは別個に「ノルヂスチ」という分類を設けるべきだろうか、
ヴィルジニア=ホドリゲスもここに入るのだろうか、等の疑問は残る。
アシェー音楽全盛時代を牽引したカルリーニョス・ブラウンをMPBアーチストに
分類する人もいる。してみると、バイーアの色がどんなに強くても、ブラジル全土に
「我らの音楽」と認知されたものはMBPというカテゴリーに入れられてしまう、と
いう法則が成り立つのかもしれない。個人的には、ブラウンはアシェ?音楽の中核で
あり、最前衛に位置していると思うのだが。
3.パゴーヂについて
簡単に言うと、「何も考えずにひたすら腰振って踊るのに適したお気楽サンバ」で
ある。何を持ってパゴーヂと定義づけるべきかはわからないが、筆者の耳にはすべて
同じリズムに聞こえてしまう。歌詞も気楽でおどけたものが多いようだ。
(使用される楽器が、持ち運びしやすい小振りのものであるという特徴があるらしい)
パゴーヂを演奏するのはバイーアのミュージシャンに限らないが、バイーアの大衆
はこの軽快なリズムと腰振りダンスが異様なぐらいに好きだ。このリズムがかかると、
みんな条件反射的にお尻をブンブン振りまわしてすごい迫力で踊りまくる。
バイーア出身のパゴーヂ・バンドの代表格は、
*エ=オ=チャン E O Tchan
*テハ=サンバ Terra Samba
*ボム=バランソ Bom Balanco
*アルモニア=ド=サンバ Harmonia do Samba
あたりだろう。こういったバンドも「アシェ?音楽」に括られることが多く、CDや
ビデオ・クリップのシリーズ「AXE BAHIA」では、むしろこちらが幅をきかせている
みたいに見える。だが、筆者にとっては「パゴーヂはあくまでもパゴーヂ」である。
よって、アシェー音楽とは別のカテゴリーに放り込むこととする。
2nd album:「omelete man」(同「オムレツ・マン」)
前作に比べると、やや肩の力が抜けた作品。前作を、純度100%のコカインのごと
きアッパー系のドラッグとすれば、こちらには「Hawaii e eu」等のダウナー系の作
品も混ぜられており、初めて耳にする時のキックはそんなに強くない。しかし、中毒
性はむしろこちらの方が高いかもしれない。
3rd album:「BAHIA DO MUNDO ---mito e verdade---」
待ってました、第三弾!ジャケットは、なぜか吊り目のブラウン。トレードマークの
サングラスの下は、普段は意外なほど温和な目つきなのに、少々コワモテの涼やかな
顔になっている。
曲の方は"遅効性の劇薬"といったところか。ブラウンの曲にしてはひねりが少なくて
素直な曲調が多いように感じたのだが、数回耳にするうちにしっかりとハマってしまう。
軽快で、自在で、奥が深い。さすがはブラウン、裏切らない。
これを聴く限り、アシェーはまだまだ衰えず、と胸を撫で下ろすのであった。
1st album:「Daniela Mercury」
アシェー音楽の名を高らしめた記念碑的名盤。やや荒削りだが、まっすぐで力強
い。1曲目が、前述の「Swing da Cor」。ブロッコ・アフロ「ムゼンザ」を讃えた
歌でもある。
2nd album:「O Cant da Cidade」
さらにパワーアップした二枚目の作品。個人的には、イレ=アイエに捧げた7曲目
が特にお勧め。
3rd album「Musica de Rua」
こちらも名曲ぞろい。ラップあり、バラードありと、その魅力をしなやかに広げ
ている。チンバラーダを讃えた9曲目やイレ=アイエに捧げた12曲目なども、バイー
アの音楽状況を表わしていて面白い。
4th album:「Feijao com Arros」
アカペラで始まる1曲目「Nobre Vagabund」、母性を感じさせる8曲目「A
primeira Vista」など、新境地を切り拓いた作品。もちろん、ブラウン提供の2曲目
「Rapunzel」など、ダンサブルな曲も盛り沢山。ジャケットもカッコイイ。
New album:「Sol da Liberdade」
歌詞カードに収められた写真が、どれもすごく良い。自作の1曲目や、5曲めの
カエターノのカバー(曲名はずばり「Axe Axe」)など、興味を引く曲は枚挙に暇が
ないが、なんと言ってもオリシャに捧げた8曲目が圧巻であ
る。イレ=アイエに捧げた14曲目も面白い。
5th album:「Mae de Samba」
進化し、深化したチンバラーダの真骨頂。この一枚をベストに推す人も多い。神話
的な美しさを感じさせるジャケットも秀逸。海の女神イエマンジャーを讃える1曲目
から、エンジン全開で聴かせてくれる。3曲目「Ai」、8曲目「cordao de Bloco」、
9曲目「Mae de Samba」、14曲め「A Latinha」等、たくさんの曲がカルナヴァル
定番ソングとして定着した。他の曲もすべて粒ぞろいである。
6th album:「...pense minha cor...」
女性メイン・ボーカルのパトリシアが抜け新しく3人のボーカルが参加。3曲目の
"Zorra"は、2000年のカルナヴァルで最も多く歌われた曲だ。7曲目「Plugado
na Viola」を歌っているのは、なんとアキラという名の日本人。日本語の台詞まで
ついている。(アキラはその後独立した)
"ブラジル音楽・アシェーとは"
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