tag:blogger.com,1999:blog-61414136808986631372009-07-13T05:52:24.890+09:00書庫・東雲もともとはブックレビュー用のブログでしたが、09年7月から方針転換して、ヒトカラ日記になりました。適切なタイトルを思案中です。ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.comBlogger35125tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-30062181237551574232009-07-13T00:06:00.017+09:002009-07-13T05:49:09.917+09:00「いちご白書」をもう一度♪バンバン今年に入ってから<b><span><span></span></span></b><span><span>ヒトカラに</span></span>目覚めてしまったのでした。<b>「ヒトカラ」</b>とは1人でカラオケ(ボックス)に行くことで、2人なら「フタカラ」、3人以上は<b>「タカラ」</b>と呼ばれています。ヒトカラではタカラのルールである空気を読むことが要求されません。バラードだろうが演歌だろうが懐メロだろうが女性曲オク下だろうがアニソンだろうが洋楽だろうが、同じ曲を何度繰り返そうが、気にする他人は誰もいません。<br /><br />おまけに、大半のカラオケ店では1人いくらの料金体系になっているため、ヒトカラはコストパフォーマンスが抜群に(申し訳なく思うくらいに)いいのです。当たり前です。1人で行くと、自分が歌っている間は飲み食いはできません。そして、歌うのは自分しかいません。たとえば昨日の場合、私は比較的高めの店に行きましたが、冷房付の個室を5時間ほど独占して、支払いは2010円(ソフトドリンク2杯、フード2品込み)でした。<br /><br />さて、カラオケのメーカーは現在では3社にほぼ集約されています。最大手は歌い終わった後に消費カロリーが表示されるDAMの第一興商、2番手は「前奏△秒」の表示があるUGAのBMB(USENの子会社)、そしてJOYのエクシング(ブラザー工業グループ)です。2次会のタカラでは機種に対するこだわりなどないでしょうが、ヒトカラ族(<b>ヒトカラー</b>)にとっては深刻な問題です。ヒトカラーの多くは各機種の採点ゲームを楽しんでいるものと思われるからです。<br /><br />この採点ゲームは複数でやるより1人でやったほうが面白いのです。なにしろリアルタイムで(曲単位の)全国順位が出るのですから、わざわざ複数で行って競う必要などありません。「ヒトカラ」という言葉がなかった時代でも、主にシルバー世代や練習目的のヒトカラーは存在していたのでしょうが、中高生にまでヒトカラが浸透し始めたのは、この採点ゲームがきっかけのようです。<br /><br />昨日はプレミアDAMでちょうど50曲歌いました。精密採点2によるベストナインは次のとおり(9位同点のため10曲、カッコ内は音程点)でした。<div><ol><li>84(85)★「いちご白書」をもう一度♪バンバン</li><li>83(89)★大きな玉ねぎの下で♪爆風スランプ</li><li>83(84)★夢芝居♪梅沢富美男</li><li>82(89)★思い出通り雨♪ふきのとう</li><li>82(88)★やさしさとして想い出として♪ふきのとう</li><li>82(87)★青空の翳り♪太田裕美</li><li>82(86)★夢の途中♪来生たかお</li><li>82(84)★揺れる想い♪織田哲郎</li><li>81(87)★幸せな結末♪大滝詠一<br />81(87)★万里の河♪CHAGE &amp; ASKA</li></ol><div style="text-align: center;"><span class="Apple-style-span" style="color:#009900;"><br /></span></div><div style="text-align: center;"><span class="Apple-style-span" style="color:#009900;"><b>「いちご白書」をもう一度(1975年/バンバン)</b></span></div><div style="text-align: center;"><span class="Apple-style-span" style="color:#009900;"><b>作詞:荒井由実/作曲:荒井由実/編曲:瀬尾一三</b></span></div><br />今回1着の「いちご白書」はタカラではほとんど歌ったことのない曲で、精密2では4回目です。過去3回は80、82、78でした(生音バージョンは1回歌って80点)。たしか高校1年のとき、夏休み(前?)のキャンプで合唱した記憶があります。私の隣からは「二人だけの眠りー」と歌っているように聞こえましたけど、何も言いませんでした…。<br /><br />まあ、私の世代なら苦もなく歌える曲の1つです。就職が決まってから髪を切るのではなく就職を決めるために髪を切るのではないかとツッコミたくなりますが、当時はそんなことなど考えませんでした。「ルージュの伝言」とハイファイセットの「卒業写真」が75年2月、「いちご白書」が8月、「あの日にかえりたい」が10月、当時のユーミンは21歳です。<br /><br />やがて大学に入った私は、ある日、近くの名画座に行きました。大学生とはそういうものだと思っていたからです。上映していたのは「ローマの休日」でした。私の名画座通いはその1回きりです。というわけで、今に至っても映画の「いちご白書」を観たことはありません。<br /><br />ところで、名曲であるがゆえに各社ともバリエーションが豊富です。各サイトによれば、バンバンだけでもDAMが3つ、JOYは2つ、UGAは8つもあります。<br /><br /> +2 DAM 1526-01<br /> +2 DAM 1526-03(生音)<br /> 0 DAM 1526-05(名演)<br /> 0 JOY 946<br /> #2 JOY 112681(スゴオト)<br /> +2 UGA 1453-01<br /> +4 UGA 7764-66(スタ録)<br /> +2 UGA 7521-26(G)<br /> +2 UGA 7576-23(Hip)<br /> +2 UGA 7526-32(フォーク)<br /> +2 UGA 7564-98(ボサ)<br /> +2 UGA 7594-46(R&B)<br /> +2 UGA 7503-55(レゲエ)<br /><br />私はJOYのノーマルバージョンで苦戦しました。キーが下げてあるスゴオトバージョンでは95人中19位で94点台中盤でしたが、原キーのままのノーマルバージョンでは342人中129位の91点台前半だったのです(いずれも5月)。タカラ時代なら「今日は調子が悪い」か「もう飲み過ぎだ」で済ませていたに違いありません。<br /><br /><span class="Apple-style-span" style="color:#FF99FF;">■</span>外部リンク<br />clubDAM>DAMステーション><a href="http://www.clubdam.com/app/damStation/page.do?type=damstation&amp;source=seimitsusaiten2&amp;subType=dscontents">精密採点II</a></div><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-3006218123755157423?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-3025344803949651632008-06-13T09:15:00.001+09:002008-06-13T22:29:09.791+09:00和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか|佐野真<p>●書名:和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか<br />●著者:佐野真<br />●版元:講談社現代新書<br />●出版:05年07月第1刷<br />●定価:740円(税別)<br />●評価:400円以下なら</p><p>03年に14勝してパの新人王を獲得したホークスの和田毅は、その後も10勝、12勝、14勝、12勝と安定した成績を残しています。ストレートなタイトルですので、内容はパスします。私は和田よりも著者の佐野氏に関心があります。カバーの見返しには次のように記載されています。<blockquote><span><span style="color:#339999;">1970年生まれ。東京都出身。立正大学文学部卒業、日本棋院出版部に勤務した後、2001年にフリーライターに転身。現在は読売新聞と東京新聞で囲碁の観戦記者を務めるとともに、大学時代の野球経験を生かし野球ライターを手がける。</span></span></blockquote><p>3回繰り返した“28人目の悲劇”で有名な西口文也は立正大のOBです。西口は1972年10月生まれです。素直に考えると、佐野氏は西口の2コ上ですから、元ヨークベニマルの大河原弘道と同期ということになります。早生まれなら、元一光の西尾享祐や元朝日生命の長谷川純一と同期です。</p><p>ただ、私が調べた範囲では立正大硬式野球部に「佐野真」の名前が見つかりません。まあ、<span style="color:#339999;"><span>「大学時代の野球経験」</span></span>とは準硬式のことなのかもしれませんし、「佐野真」はペンネームかもしれませんが…。もし、ペンネームなら「佐野真一」氏とかぶるので、損になるような気もします。次作があるなら、読んでみたいライターです。<br /></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-302534480394965163?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-64559914472554232112008-06-09T02:35:00.006+09:002008-06-09T05:40:08.503+09:00プロ野球 記録・奇録・きろく|宇佐美徹也●書名:プロ野球 記録・奇録・きろく<br />●著者:宇佐美徹也<br />●版元:文春文庫<br />●出版:87年10月<br />●定価:440円(消費税法施行前)<br />●評価:定価以上<br /><br />「記録を読む」と題して『ナンバー』誌に81年から86年まで連載されたコラムです。宇佐美氏は野球殿堂に選ばれるべき人物だと私は思っていますが、メディア関係では過去にNHKアナウンサーの志村正順氏と『野球界』記者の太田茂氏が殿堂入りを果たしています。<br /><br />本書が「セットポジション」に与えている影響はすさまじいものがあります。<br /><ul><li>88ページ:これでいいのか、プロ野球名物休むが勝ちの「首位打者病」<br />→<a href="http://set333.net/puro17_3wari.html">「打率3割の攻防」</a></li><li>90ページ:低打率だと好守備でも選ばれないダイヤモンドグラブ賞の不思議<br />→<a href="http://set333.net/puro04gaiya.html">「外野手守備成績」</a></li><li>102ページ:実績のない選手上がりのインスタント審判を作るのはやめよう<br />→<a href="http://set333.net/wakamatu.html">「ビデオ判定を考える」</a></li><li>109ページ:24球ファウルして一塁に歩いた大リーグのファウル打ちの名人<br />→<a href="http://set333.net/kodawari10fauru.html">「最多ファウルは11本」</a></li><li>116ページ:打率に響くポジションの利、不利<br />→<a href="http://set333.net/puro15pojisyon.html">「ショートというポジション」</a></li><li>161ページ:巨人びいきの審判はいないことを記録が証明<br />→<a href="http://set333.net/puro19ump.html">「日本シリーズの審判」</a></li><li>246ページ:「無死満塁は点が入りにくい」というけれど……<br />→<a href="http://set333.net/oosuga.html">「大須賀」</a></li><li>345ページ:入団以来17年間体重75kgで変わらずの谷沢 メンバー表の怪<br />→<a href="http://set333.net/dai03otona.html">「大人になる、ということ」</a></li></ul>このように、ルーツをたどると本書に行き着くコンテンツは「セットポジション」にはわさわさあります。「最多ファウルは11本」は<a href="http://set333.net/nouyama.html">「農山」</a>や<a href="http://set333.net/ru-ru06fauru.html">「ルールを変えた男」</a>に発展しました。<br /><br />宇佐美氏は本書あとがきで次のように述べています。<br /><blockquote><span style="color:#339999;"><span> 「記録・奇録・きろく」の中で筆者が柱にしてきたテーマは3つある。<br /> 1つは、スコアカードの中に埋もれている記録を1つで多く掘り起こしたいこと。<br /> 2つ目は、選手個々がファンの目に焼きつけてきた名人芸の数々を、記録の様々な手法を駆使して表現してみたいこと。<br /> そしてもう1つは、内容のない形だけのインチキ記録や、作為に満ちた醜いタイトル争いや記録作りを排除して、プロ野球の記録を選手自身が誇り得る神聖なものにしていくための訴えを常に盛りこんでいくことだ。</span> </span>(381ページ)<br /></blockquote>1番目はスコアカードを見ることができる立場になければできません。宇佐美氏を継承する人物はメディアにはいないのでしょうか。私はそういう立場にはありませんので、自分で見に行ってこつこつ集めています。私にできることは埋もれてしまいかねない記録を見逃さないようにするだけです。<br /><br />2つ目は私もやりたいと思っていることですが、私のテリトリーはプロ野球だけではありません。それこそ誰にも知られることなく消えてしまう試合やプレイをせめてWebの中に置いておくことはそれだけでも十分に価値のあることだと考えています。<br /><br />3つ目に関しては、ややスタンスが異なります。私は必ずしも記録を「神聖なもの」とは思わないからです。私は私なりに(たとえ局地的であれ)“宇佐美越え”を果たしたいものだと考える次第です。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6455991447255423211?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-55106420858163458032008-05-22T09:42:00.003+09:002008-06-09T05:42:26.038+09:00高校野球「裏」ビジネス|軍司貞則●書名:高校野球「裏」ビジネス<br />●著者:軍司貞則<br />●版元:ちくま新書<br />●出版:08年03月<br />●定価:720円(税別)<br />●評価:定価以上<br /><br />高校野球特待生問題有識者会議は07年11月に最終答申をまとめました。その線に沿って、「特待生問題」は一件落着となるのでしょう。あれだけの反発を受けたあとですから、特待生を一切認めない結論にはならないという見通しは人選の段階でつきましたが、正直なところ、私はあまり期待していませんでした。<br /><br />こうした外部諮問機関は妥当な結論を導くだけで、決して肝心なところには切り込まない(切り込めない)からです。田名部氏が本当に特待生を排除したかったとは私には思えません。特待生そのものの存在は周知の事実なのであって、田名部氏や脇村氏だけが知らなかったということなどあり得ません。<br /><br />では、本丸は「野球留学」だったのでしょうか? 私はそうではないと考えています。田名部氏はかつて海外からの留学部員に関して水を向けられながら、決して否定的な見解を述べませんでした。私はブログ「特待生と野球留学」で次のように書いています。<br /><blockquote><cite><a href="http://blog.goo.ne.jp/zzxxccvbnm/e/9008cc5b4d84033c2581af22e80b93ad">特待生と野球留学>行き過ぎ</a></cite><br /><br /><span><span style="color:#339999;">「行き過ぎ」の具体的な中身は私も一番知りたいところです。もともと田名部氏や脇村氏の中では、そこから話が始まっているはずなのです。こういう「行き過ぎ」があるから今回の措置をとったのだと言えば、脇村氏は悪役にならずに済んだはずです。</span></span><br /></blockquote>本書では「行き過ぎ」について触れられています。著者の軍司氏はノンフィクション作家であり、社会人野球のクラブチーム・WIEN'94の監督です。“砂利”の話は聞いたことがありましたし、“コンビニ”も私の想像の範囲内ですが、“クレジットカード”はちょっと思いつきませんでした。まあ、誰の名義で処理するのかが一番肝心ですけど…。<br /><br />この「行き過ぎ」の問題は、高校野球だけで解決できることではありません。プロ、社会人、大学、高校、少年野球が1つのテーブルにつくことから始めなければならないはずです。高野連様は高校野球の入口の部分を問題にしたわけですが、その高野連様のいわば“教育の成果”としての出口にも問題が横たわっているはずです。<br /><br />こうした問題を本当に解決しようとするなら(再発防止を最優先するなら)、まず過去について免責を与える必要があります。そうでなければ、真実が語られることはありません。「学生野球憲章に時効はない」などと力こぶを入れたら、語られるはずの実態を誰も語れなくなってしまいます。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5510642085816345803?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-53155845633330584062008-05-11T08:27:00.004+09:002008-05-11T11:46:29.367+09:00冬の巡礼|志水辰夫●書名:冬の巡礼<br />●著者:志水辰夫<br />●版元:角川文庫<br />●出版:97年10月(単行本94年10月)<br />●定価:546円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><blockquote><span style="color:#339999;">列車を下りたのは3人。わたしをのぞくふたりは女子学生と五十年配のショールをかぶった女性で、いかにももの慣れた足取りで駅舎を出るとすぐさまいなくなった。</span><略><span style="color:#339999;">誰もいない待合室の中で石油ストーブが燃えていた。</span><略><span style="color:#339999;">駅周辺にはひとっ子ひとり見あたらなかった。 </span>(3-4ページ)<br /></blockquote>この冒頭の描写で、私はあいづ球場に行ったときのことを思い出しました。私が下りた無人駅は会津鉄道の南若松駅でした。季節は冬ではなく夏。下りたのは私を含めて2人です。第1試合に間に合うように球場に着くにはこの電車しかないはずなのに、始発駅の西若松駅ではそれらしい乗客が見当たりませんでした。<br /><br />私は不安に襲われていました。 実は私は地図を忘れていたのです。第1試合は10:30開始予定です。南若松駅到着は10:03で、駅から球場まではまっすぐ約1キロですから、場内アナウンスにちょうど間に合う頃合いです。時間帯からして、どうせ乗客の誰かしら球場へ行くに違いないと踏んでいたら、とんでもない話です。<br /><br />一緒に下りたお爺ちゃんは、駅前広場?で周辺施設の案内板を探している私を追い越して軽やかな足取りでずんずん進んでいきました。駅前の通りは交通量が比較的多いのですが、車の往来は激しいのに、歩いている人がいないのです。まあ、田舎ではよくあることです…。<br /><br />駅前には店もないので、誰にも聞けません。あいづ球場には照明設備がありませんから、照明灯を頼りに進路をとることもできません。駅に引き返して待合室を覗いてみましたが、電車は出たばかりです。誰もいなくて当然です。室内の掲示物では球場の場所はわかりません。私は1人取り残されたのでした。<br /><br />困り果てていたら、高校生らしい白シャツを乗せた貸切バスが踏切を越えて右側に進んでいくのが見えました。迷っていても仕方がないので、あとを追うことにしました。しばらく歩くと、向こう側からチャリが来るのが見えました。これを逃してはなりません。私は歩を早めました。なんと、舞い降りたはずの天使は20m先の信号で右折してしまったのです。<br /><br />「おーい、待ってくれ~」と叫びたいのをこらえていたら、道路の反対側の家で庭の草むしりをしているお婆ちゃんが目に入りました。天使は身近なところにいたのです。赤信号で停車した車を縫って、私は反対側に渡りました。言葉はあまりよくわかりませんでしたが、指さした方向は私の判断と同じでした。<br /><br />さて、この小説は野球とはまったく関係ありません。志水辰夫を最初に読んだのは『飢えて狼』だったはずです。私の中では、泡坂妻夫、天藤真と並んで国内ミステリーのビッグ3であって、2人を出した以上は志水辰夫も出さざるを得ないわけです。 ちょうど先日、まだ読んでいない本書を古本屋で見つけました。250円でした。<br /><br />主人公の「わたし」は菅井工務店の契約社員です。下請けの城南建設作業員・坂倉博光が謎の死を遂げます。特別に親しかったわけではないのに、坂倉は死の前日、「わたし」に実家の住所を記したメモとともに位牌を預けていました。<br /><br />「わたし」はその位牌を坂倉の母に届けるべく、雪深い飛騨高山の無人駅に下り立ったわけです。「わたし」はそこから命の危険にさらされますが、同じように無人駅で下りても位牌を預かっていなかった私には何事も起きませんでした。私はただ青春18きっぷを使いこなしただけでした。<br /><br />この小説では「わたし」の勤務先の社長が魅力的な人物として描かれています。<br /><blockquote><p><span style="color:#339999;">喧嘩やもめごとは大好きで、いまでも仲裁など頼まれたら喜んですっ飛んで行くし、秩序や抑制や努力など大嫌いという連中を仕切らせたらそれは大変なものだ。 </span>(180ページ)</p></blockquote><blockquote><p><span style="color:#339999;">事件を匂わせただけで、隠匿されている金の匂いを嗅ぎ取ってしまったのだ。本人はその金が欲しいとか、分け前に預ろうととかいう魂胆があって出しゃばってきたわけではない。こういう話になるとわくわくして、自分も一枚加わりたいだけなのである。だからわたしのすることにブレーキは絶対かけない。人を焚きつけたり、あおったり、事件が面白くなればなるほどうれしがる。もしそれで私が監獄へ放り込まれる羽目になったとしても、彼なら赤飯を炊いて送り出してくれるにちがいなかった。</span> (196-197ページ)</p></blockquote><blockquote><span style="color:#339999;">何を思ったか、独りごとみたいな声でつぶやいた。「女はいいよ。男の最後の逃げ場は女しかないんだ」<br /> 名古屋にやってきた正体を見たと思った。このじいさん、まだまだ枯れていなかったのだ。この脂ぎった顔は、現役で通用している何よりの証拠だった。</span> (206ページ)<br /></blockquote>この社長さんが事件の解決に活躍するのかと思っていたら、まったく期待はずれでした。志水辰夫の小説はハッピーエンドとは限りません。そうでないことが多いかもしれません。まあ、結末は書きませんが…。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5315584563333058406?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-76479355004892410752008-04-21T05:17:00.001+09:002008-04-21T12:33:45.242+09:002008公認野球規則<p>●書名:2008公認野球規則<br />●編集:日本プロフェッショナル野球組織/日本野球連盟/日本学生野球協会/全日本大学野球連盟/日本高等学校野球連盟/全日本軟式野球連盟<br />●版元:ベースボールマガジン社<br />●出版:08年04月第1刷<br />●定価:1000円(税込)<br />●評価:400円以下なら</p><p>阪急京都本線と千里線が交わる淡路駅には1番ホームがありません。あるのは2~5番ホームです。もちろん当初は1番ホームも存在したわけですが、廃止に伴い1番ホームの名称も消滅したそうです。繰り上げをおこなわず欠番としたのは混乱回避が主目的だったようです。</p><p>法律の条項も同じ考え方です。たとえば全17条の法律から第4条を削除した場合、第4条は欠番となり、繰り上げはおこなわれません。改正前も改正後も第5条は第5条のままです。第5条の次に新条項が追加されても、それが「第5条の2」となるだけで、第6条は第6条のままです。</p><p>2008年の『公認野球規則』では、記録に関する第10章で数カ所の改正がありました。旧10.05と10.06が統合されて新10.05になり、以下の条項はすべて繰り上げられました。旧10.13と旧10.14も統合されたため、去年までの10.15は今年から10.13になりました。おまけに、旧10.19(f)が新10.18になりましたから、旧10.20は新10.19です。</p><p>どちらが「美しい」かと言えば、後者に決まっています。ただし、それを学ぼうとする者にとっては迷惑な話です。去年までに書かれたものを読むときは、面倒な置き換えをしなければならないからです。実は「セットポジション」が受けた影響は甚大で、20ページほどに手を加える必要があります。</p><p>『公認野球規則』が市販化されたのは2006年ですが、私は1992年版から持っています。この間、第10章の改正はほとんどおこなわれておらず、事実上今回が初めてと言ってもいいくらいです。まあ、『公認野球規則』の改正自体はあちらで決めたことですので、日本の規則委員会に責任はないのですが…。</p><p>さて、08年版『公認野球規則』の「はしがき」には次のような記述があります。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;">昨年のプレイに関する規則の大改正に引き続き、今年は記録に関する規則が整理され、長年運用で処理したり、曖昧な解釈のまま放置されていた懸案事項がひとまず片付き、規則書の大掃除は一段落といったところか。</span></p></blockquote><p>きっと、この「はしがき」を書かれた方はマゾの性癖があるに違いありません。これで<span style="color:#339999;">「一段落」</span>なら、私はまだ当分アホだのポチだのと言えるわけです。はい。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-7647935500489241075?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-11753907560065301422008-03-19T20:54:00.006+09:002008-03-20T00:12:17.053+09:00ベースボール・クリニック 2008年4月号<p>●書名:ベースボール・クリニック 2008年4月号 <br />●版元:ベースボールマガジン社<br />●出版:08年03月(月刊/17日発売)<br />●定価:890円(税込)<br />●評価:定価相応<br /><br />例年のように、アマ規則委員長の麻生紘ニ氏による08年野球規則改正についての解説が掲載されています。発売されたばかりの月刊誌ですので、関心のある方は書店でお買い求めください。</p>今回の改正で、最大の注目点は7.08(e)です。冒頭で取り上げられている“例題”は、私も某掲示板において(回答を)引用したことがあります。こんな問題です。<br /><p> ★一死一・三塁でライト線にヒット。<br /> ★三塁走者生還。一塁走者は二塁を空過して三塁へ。<br /> ★打者走者は三塁送球を見て二塁を狙うがタッチアウト(二死)。<br /> ★空過に気づいていた守備側が二塁でアピール。<br /> ★審判は空過を認めてアウト(三死)。</p>この場合のスリーアウト目となるアピールアウトは、はたしてフォースアウトなのかそうでないのか、つまり得点は認められるのか認められないのかという問題です。もともとは、鈴木美嶺編『Q&amp;A方式 101の実例野球ルール』(ベースボールマガジン社、85年)に掲載されているものです。美嶺さんは、<span style="color:#339999;">「二塁でのアピールアウトは、フォースアウトではない」</span>と回答しています。<br /><p>私がこの(一連の)問題をWebに投げたのは05年12月のことでした。今回、規則委員会の「統一見解」が示され、この事例はフォースアウトで無得点ということになりました。麻生氏は本件改正に至る経緯を説明したあと、次のように記述しています。</p><blockquote> <span style="color:#339999;">やれやれ、長年の疑問がこれで解決と思っていましたら、空過のケースとは異なりますが、次のような質問が寄せられました。よく勉強しているなと驚きました。</span><br /> <略><br /> <span style="color:#cc6600;">例題2</span><略><span style="color:#339999;">打者が今度は外野飛球を打ち上げた。捕球されそうなので、一塁走者は一塁ベースの方へ戻っていた。しかし、外野手はその飛球を落としてしまった。このとき、打者走者は一塁を回って打球を見ていた一塁走者を追い越してしまい、追い越しアウトになってしまった。</span>(37ページ)</blockquote>この例題2は<a href="http://set333.net/dai09osorubesi.html#02/05/25">「敗れたり?亜細亜」</a>のプレイです。今回の改正が発表された直後、私はほとんどリアルタイムでこの突っ込みを入れましたが、もともと私にとってはこちらが出発点でした。もっとも、それは読者の方から頂戴したメールがきっかけになっています。というより「敗れたり?亜細亜」自体が別の方から頂戴したメールによるものなんですが…。<br /><p>さて、05年12月の私の投稿は、新年に入って私が忙しくなったので、自分から打ち切りました。ただし、本件はゾンビのような生命力を持っていたようで、ほどなく別の複数の掲示板で復活しました。そして複数のルートで規則委員のもとに届いたのです。</p>私はメールをきっかけに調べたことを集約しただけで、それ以外には何のアクションもとっていません。震源地に御せられているようですが、増幅しただけであって震源そのものではありません。<br /><p>ところで、麻生氏は本項を次のように結んでいます。</p><blockquote><span style="color:#339999;">規則というのはすべてのプレイを包含、もしくは表現することは不可能で、あちこちに規則の盲点が潜んでいるため、条文の字句の背景まで理解しようと努めることが大切です。</span>(38ページ)</blockquote>改正後の7.08(e)は次のような文言になっています。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">7.08 次の場合、走者はアウトとなる。<br />(e) 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである。)<br /> ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フォースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。</span><略></blockquote><p>これを読むと、<span style="color:#cc6600;">「例題2」</span>のケースでは第3アウトがフォースアウトでないことから、二塁はフォースプレイだと解釈する人のほうが多いでしょう。解釈が統一されただけで、誤解を与えない表現に改める余地はまだあるわけです。</p><p>「照会したらこういうことでした」はポチのやることです。麻生氏の次の世代には、記述上の不備を(もちろんアメリカを含めた) 諸外国とともに直してもらわねばなりません。いつまでもポチであってよかろうはずがありません。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-1175390756006530142?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-64242138707937128992008-02-15T17:31:00.000+09:002008-02-15T17:31:48.379+09:00白球の王国|トマス・ダイジャ<p>●書名:白球の王国<br />●著者:トマス・ダイジャ (訳:佐々田雅子)<br />●版元:文春文庫<br />●出版:00年07月第1刷<br />●定価:950円(税込)<br />●評価:200円以下なら</p><p>638ページの長編小説です。古本屋で105円(税込)でした。ページ単価は0.16円、値引率なら89%です。</p><p>満塁の走者を一掃する逆転タイムリー二塁打を期待していたわけではありません。前進守備の内野手の頭をワンバウンドで越える渋いヒットでよかったのです。が、現実は甘くありませんでした。ブックオフさんの価格設定はきわめて適正でした。</p><p>本書のカバー裏表紙には、あらすじが次のように記されています。触手が伸びるように書いてあるのです。戦争と野球を絡めたワクワクドキドキの物語ではないか、と…。</p><blockquote><span style="color:#339999;">1864年5月、南北戦争末期。除隊まで18日を残した北軍第14ブルックリン連隊の兵士たちは、倦怠と恐怖と疲労に包まれていた。息抜きにキャッチボールを始めた彼らの前に突然、南軍兵士が現れ、試合を申し込まれる。戦場に舞う白球を追う両軍兵士の間に、いつしか奇妙な友情が……。戦争の悲劇、青春と野球を謳いあげる感動大作</span></blockquote><p>「大作」であることは間違いありません。「戦争の悲劇」もくどいほど描き込まれています。ただ、申し訳ありませんが、私は「感動」には至りませんでした。とはいえ、いくばくかの価値はあります。</p><blockquote><span style="color:#339999;">「</span><略><span style="color:#339999;">高め、低めは要求できるが、投球を待たせることはできない。いい球がきたらストライク。故意の悪い球が3つきたら、バッターは一塁にいける。ブルックリンじゃ、今年はそういうふうにプレイしてます」<br />「わかった」<br />ニュートはもう1つ思いついた。「フライゲームにしましょう」<br />「それは……?」<br />「アウトにするにはフライの打球はじかに捕らなければならないというものです」</span><br /><略><br /><span style="color:#339999;">ピッチャーズボックスとホームプレート間45フィートとベース間90フィートの歩測が始まった。</span> (142-143ページ)</blockquote><p>本書では数度にわたって「ピッチャーズボックス」が出てきます。初期の頃はサークルではなくボックスだったわけです。ちなみに、投手プレートは19世紀末に採用されており、南北戦争当時はありませんでした。</p><p>塁間の90フィートは今と変わりませんが、今では投本間60.6フィート(18.44m)です。直径18フィートのマウンドの中心は本塁から59フィートですから、マウンドの本塁寄りは本塁から41フィートとなります。</p><p>翻訳小説を読むときは、スピードが鈍ります。登場人物の名前を覚えきれないのです。本書では分速1ページに達しなかったのではないかと思われます。つまり、優に10時間つきあったことになります。全体を通じて退屈な小説でしたが、ラスト近くになって、いつ始まるかわからない(銃による)攻撃という時間との争いがサスペンスとして盛り込まれています。ここが唯一の見せ場かもしれません。</p><blockquote><span style="color:#339999;"> 二死。満塁。点差は1。9回裏。ライマンが打席に立った。<br /> 少年たち――そして大人たち――は、そのような瞬間を夢には見ても、現実にめぐりあうことはめったにはい。だが、めぐりあえば、おのれをさらすことになる。9回裏、1点リードされて満塁の場面で打席に立つ人間には、失敗すれば弁解の余地はないということは自ずから明らかだ。成功すれば講釈の要はないというのと同じことだ。9回裏に逃げ隠れは許されない。自分の体が、そして頭が、どこまで強靱かを知ることができる。</span> (624ページ)</blockquote><p>ちなみに、私のなかでは、戦争を描いた小説としては大岡昇平の『野火』が筆頭です。南北戦争当時のアメリカの総人口は3000万人とも3500万人とも言われていますが、鳥取県の人口より多い62万人もの戦死者を出したそうですから、50人に1人が犠牲になったことになります。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6424213870793712899?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-52816567468350428032008-01-26T18:56:00.000+09:002008-01-26T23:22:16.439+09:00パ・リーグ審判、メジャーに挑戦す|平林岳<p>●書名:パ・リーグ審判、メジャーに挑戦す<br />●著者:平林岳<br />●版元:光文社新書<br />●出版:07年03月第1刷<br />●定価:777円(税込)<br />●評価:400円以下なら</p><p>ちょっと因縁のある本です。実は、新刊で買おうとしたとき、カバーの折り返し部分に記されている「問題」が目に入りました。</p><span style="color:#339999;"><blockquote><p><span style="color:#339999;">【問題】<br />あなたは三塁を守っています。<br />試合序盤、スコアは1対1の同点。<br />ノーアウトで、ランナーが一塁と三塁にいます。<br />バッターがゴロを打ち、打球はあなたの前に飛んできました。<br />三塁ランナーは本塁に走りました。<br />バックホームは間に合いそうです。<br />どこに送球しますか?</span></p></blockquote><p></span>私はこれが「問題」になるほうがおかしいと思ってしまったのでした。同点の最終回裏ならバックホームしかありませんが、同点の序盤ならゲッツー狙いの二塁送球でしょう。</p><p>本塁でアウトを1つとったところで、走者を二塁と一塁に残すことになります。一死一・二塁ではピンチをしのいだことになりません。引き続き大量失点のリスクを背負うだけです。</p><p>私の集計では、無死三塁53例のうち85%が得点に結びついています(→<a href="http://set333.net/kodawari06senntou.html#02">「先頭打者と打ちとれ!」</a>)。また、無死満塁314例のうち無得点に終わったのは14.6%に当たる46例です(→<a href="http://set333.net/oosuga.html#heikin">「大須賀」</a>)。</p><p>いくら序盤といえども、1点を惜しんで大量失点を招くと劣勢を挽回するのは大変です。序盤の1点ぐらいくれてやればいいのです。三塁走者など無視してゲッツーをとり、二死無走者にもっていくのがセオリーというものだと疑いもなく私は考えています。</p><p>この【問題】の答えは本書冒頭に示されています。著者によると、私の考え方はアメリカ流であって、日本ではバックホームなのだそうです。まあ、たしかに一死または無死で走者が三塁にいるとき、むやみに前進守備を敷くチームはあります。13点差で負けているコールド寸前の5回に前進守備を見たときは目を疑いました(高校野球の話)。</p><p>アマチュアではありがちですが、プロ野球なら、それほどでもないのではないかと思われます。<a href="http://set333.net/nettou08kouhann.html#03">「後半勝負」</a>のゲームでは、スワローズが1点ビハインドの4回表無死一・三塁で6-4-3の併殺を完成させました(なぜか三塁走者は走りませんでしたが…)。</p><p>ちなみに、「併殺崩れ」で検索してみると、意外な場面でのゲッツー狙いもあるようです。</p><ul><li>06/06/14のE×T、同点の10回表一死満塁から今岡の内野ゴロ併殺崩れで勝ち越し</li><li>01/07/25の専大北上高×盛岡大付高、7回裏一死一・三塁から併殺崩れで先制</li><li>07/05/23のBs×C、2点ビハインドの3回表一死一・三塁から喜田の二ゴロが併殺崩れ</li><li>07/09/13のE×Bs、同点の9回裏一死満塁から山崎武の遊ゴロ併殺崩れでサヨナラ</li></ul><p>あいにく序盤の無死一・三塁は見つかりませんでした。満塁の場面でゴロになれば走者はスタートですから、一・三塁とは状況が異なります。それにしても、高校野球の(県予選)決勝戦で両チーム無得点の7回にゲッツー狙いとはいささか驚きです。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;">試合の序盤、同点、ノーアウト一、三塁で、サードゴロ。ここでバックホームするのが日本の野球の価値観であり、5-4-3のダブルプレーを狙うのが、アメリカのベースボールの価値観です。</span> (21ページ)</p></blockquote><p>まあ、私は日本の野球しか知りません。著者の指摘は的を射ているかもしれませんし、そうでないかもしれません。私は買うつもりで手にとった本書を静かに書棚に戻したのです。先日、古本屋に350円で出ていましたので買っておきました。</p><p>ところで、日本野球界のプロ・アマ関係はいびつです。プロ側がアマ側に遠慮する場面は数多く見られます。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;"> 斎藤佑樹投手の場合、もちろん不正投球などしておらず、汗を拭くためだけにハンドタオルを持っていたのですが、ルールでは、ピッチャーはハンドタオルを持ってマウンドに上がることはできないのです。高校野球の内規で許可されていたのかと思いますが――この点は定かではありません――、公認野球規則上は、前記のようになっていることを知っておいてください。<br /> 甲子園で活躍する選手の姿に、子どもたちは憧れてまねをします。ハンドタオルを持ってマウンドに上がるのはルール上できないということを、子どもたちに教えてあげてください。 </span>(69ページ)</p></blockquote><p>投手がハンカチをマウンドに持ち込むのは不可というのがプロ側の一致した見解ですが、社会人野球には次のような内規があります。</p><blockquote><cite>http://www.jaba.or.jp/shakaijin.html</cite><br /><span style="color:#339999;">11.「投手が如何なる異物でも、身体につけたり、所持すること」を禁止する規則の適用に際しては、「投球に影響を及ぼすようなもの」との解釈とし、監督より申し出があり、審判員が認めたものに限って許可することとする。(8.02(b))〔社〕</span> <p></p></blockquote><p>高校野球や東京六大学にこの種の明文化された内規があるのかどうか、私はまだ確認できません(「ない」とは断定できない、という意味です)。</p><p>平林氏は94年から02年までパリーグの審判でした。イースタンを含めて何度も見ていますが、とくに印象はありません(これは褒め言葉です。ほとんどの場合、審判が目立つのは「何か」があったときですから…)。</p><p>外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span><a href="http://old-rookie.aspota.jp/">オールドルーキーチャレンジ日記</a><br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>槙原寛己のベースボール見聞録><a href="http://blog.sponichi.co.jp/writer/writer11/post_21.shtml">かつて巨人に元祖ハンカチ王子がいた</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5281656746835042803?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-54156479716738422212008-01-21T10:36:00.000+09:002008-01-21T13:39:44.356+09:00個性を引き出すスポーツトレーニング|立花龍司<p>●書名:個性を引き出すスポーツトレーニング<br />●著者:立花龍司<br />●版元:岩波アクティブ新書<br />●出版:02年03月<br />●定価:735円(税込)<br />●評価:600円以下なら</p><p>古本屋で350円でした。アマゾンでは166円が最安値です。eBookJapanなどの電子書籍は588円(税込)です。</p><p>トレーニング論の中身に踏み込むのは避けたほうがいいと思われますので、必要なら外部リンクを参照してください。立花氏は本書で<span style="color:#339999;">「だいたいの目安としては、少年野球の場合で1日に全力投球は50球まで。それを1週間に3日までと考えます」</span>と述べています。(35ページ)</p><p>リトルリーグの投球制限は、10歳以下が1日75球、11-12歳は85球です。リトルの場合は登板間隔の制限もあるはずですが、その運用は一定ではないようです。ボーイズリーグの投球制限は、小学生は1日6イニング、中学生は1日7イニングだそうです(端数切り上げ)。学童軟式とボーイズは変化球を禁止していますが、リトルはOKです。</p><p>ところで、立花氏が近鉄バファローズのコンディショニング・コーチになったのは「10・19」の翌年です。日本シリーズは3連勝4連敗でした。さらにその翌年の1990年に野茂が入団します。野茂に寄り添う立花氏が一段とクローズアップされたわけです。</p><p>鈴木監督の就任が1993年で、同年オフに立花氏はマリーンズに移ります。野茂や吉井は94年オフにバファローズを去ります。確執がなかったはずはありませんが、本書には何も記述されていません。まあ、トレーニング論ですから、当然のことですが…。</p><blockquote><span style="color:#339999;">選手からすれば、信頼できるコーチでなければ100%納得してアドバイスを受け入れることはできません。何でも話せ、相談でき、しかもそれぞれ選手に対していろいろな指導方法を提案できるだけの引出しをたくさん持っているかが重要です。</span> <略> <span style="color:#339999;">指導者は決して「偉い人」ではありません。「責任を取る人」です。本来なら指導者は常に新しい指導方法を学び、どんどん意識を変革していかなければいけません。この人は多くの知識を持っている「すごい人」だと思われるのが指導者のあるべき姿なのです。ところが本人や周囲が指導者を「偉い人」だと錯覚しているために、プライドが邪魔をしてなかなか方針を変えられないのです。</span>(97ページ)</blockquote><p>これは決して鈴木氏を名指ししたものではありません。文脈としてはマリーンズのコーチ時代の話から展開されているものです。ちなみに、鈴木氏は95年のシーズン半ばにお辞めになりました。 </p><p>立花氏は去年までの2年間、東北楽天イーグルスに在籍していましたが、今年からマリーンズに戻りました。野村監督とも合わなかったのではないかと思わなくもありませんが…。</p><p>さて、重箱の隅をつつくようで申し訳ないのですが、私としては看過できない誤りがありましたので、チェックを入れておきました。右肘手術からカムバックした小野和義が1991年に開幕10連勝をかけて対ライオンズ戦に登板したときのことです。</p><blockquote><span style="color:#339999;">前半戦の最終戦、西武球場で先発した小野に、試合中、デストラーデの打球が当たってしまったのです。小野は足を押さえてその場にうずくまり動きませんでした。 </span><略><span style="color:#339999;"> すぐさま救急車が呼ばれました。西武球場はすり鉢状になっているため、グラウンドからは100段近い階段を上らなければ救急車が到着する駐車場まで辿り着けません。私は小野を背負い、その階段を必死に上りました。</span> <略> <span style="color:#339999;">小野をおぶり、階段を上がっている最中、小野は明るい声でこう言ったのです。<br />「とりあえず明日、上半身のトレーニングはできるね」<br />胸が締めつけられました。 </span>(119-120ページ)</blockquote><p>小野の足を直撃したのは、5番デストラーデのものではなく、6番石毛の打球でした。当時のスコアブックをめくってみると、一死満塁で打席に入ったデストラーデは3球三振に倒れています。空振り、見逃し、空振りですから、バットに当たっていません。</p><p>もちろん、バファローズ側の立花氏にとっては、誰の打球であろうと関係ありません。石毛の打球は一塁側に弾みました。表の攻撃で勝ち越しホームランを打ったばかりのトレーバーがこのボールを拾って<a href="http://set333.net/tore-ba-html.htm#dai">一塁ベースめがけてダイビング</a>したのでした。</p><p>そうです。すっかり忘れていました。故障から復帰して破竹の連勝街道を突っ走る小野が投げていたからこそ、トレーバーのあのプレイが余計に印象的だったのです。</p><p>最後に、どうしてもこれだけは書いておきたいことがあります。大学3年までピッチャーだった立花氏は次のように述べています。</p><blockquote><span style="color:#339999;">「高校野球で何を学んだか?」と聞かれたら「納得できないことでも大きな声で“ハイ”と返事をする方法」と答えるでしょう。 </span>(11ページ)</blockquote><p>外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>ナイキ><a href="http://nike.jp/baseball/onlinecoaching/index.html">立花龍司 好きだけでは上に行けない</a></p><p>関連ページ<br /> ■3代目んだ><a href="http://set333.blog.shinobi.jp/Entry/86/">ジム・トレーバー</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5415647971673842221?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-86965019502785892892008-01-20T16:25:00.000+09:002008-01-26T23:35:06.335+09:00新版 比較野球選手論|近藤唯之●書名:新版 比較野球選手論 一球に賭けるプロフェッショナルたち<br />●著者:近藤唯之<br />●版元:新潮文庫<br />●出版:83年11月(単行本=81年11月PHP研究所)<br />●定価:400円(消費税施行前)<br />●評価:定価相応<br /><br />古本屋に105円で出ていましたので、ためらわずに買いました。ヤフオクでは希望落札価格580円に入札があったようですが、アマゾンでは1円で多数出品されています。そこまで出さなくても入手可能だと思われます。なお、文庫版は30組の選手比較ですが、そのうち5組は単行本には収録されていないそうです。つまり、買うなら文庫のほうが「お得」ということになります。<br /><br />さて、飯田徳治は走塁中のアキレス腱切断のために連続試合出場記録が1246試合で途絶えました。本書によれば、飯田は消灯後の病院のベッドで高校の校歌を歌ったそうです。<br /><blockquote><cite>浅野学園校歌 作詞:高野辰之</cite><br /><span style="color:#339999;">九転十起に我れ世を経んと額に示す自立の心</span></blockquote>検索してみると「九転十起の男」という映画もあるようで、「九転十起」は校訓にもなっているようですが、もとは「七転八起」なのに、なぜ「八転九起」ではなく「九転十起」なのでしょう? 後者のほうが語呂がいいとも思えないのですが…。何か「九転十起」でなければならない理由があるのでしょうか? 浅野高校関係者の方にご教示いただければ幸いです。<br /><br />さて、次のような注目すべき記述がありました。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">これは余談だが、プロ野球には“投手-捕手転向四天王”といわれる4人組がいる。240勝の若林忠志投手(阪神、毎日)、112勝の服部受弘投手(中日)、276勝の稲尾和久投手(西鉄)とこの米田である。</span> (200-201ページ)</blockquote>「転向四天王」でGoogleのフレーズ検索をかけてみましたが、「一致するページはみつかりませんでした」になりました。きっと、近藤氏の周辺(だけ?)ではそう呼ばれていたのでしょう。<br /><br />若林はハワイの高校時代に捕手から投手に転向しているようです。稲尾と米田も高校時代に転向しています。服部は捕手でプロに入り、1941年にはホームラン王になっています。もっとも打率は2割に満たず、ホームランは8本ですが…。戦後になって復帰した服部は、人材不足もあって投手を兼ねるようになり、投手として次のような成績をおさめています。<br /><ul><li>1946年 37試合14勝7敗 204回 防御率3.75</li><li>1947年 39試合16勝12敗 247回1/3 防御率1.81(2位)</li><li>1948年 44試合16勝18敗 302回 防御率2.59</li><li>1949年 44試合24勝10敗 290回2/3 防御率3.00(5位)</li><li>1950年 41試合21勝7敗 238回1/3 防御率2.94(6位)</li></ul><p>1951年からは三塁手に転向し、投手としての登板はめっきり減ります。同じ期間の打撃成績は次のとおりです。</p><ul><li>1946年 76試合180打数49安打2HR19打点 打率.272</li><li>1947年 48試合105打数18安打2HR9打点 打率.171</li><li>1948年 97試合277打数63安打2HR21打点 打率.278</li><li>1949年 81試合160打数50安打6HR25打点 打率.313</li><li>1950年 63試合120打数33安打0HR18打点 打率.275</li></ul><p>その後も打者としては平凡な成績しか残していませんので、投手のままのほうがよかったのではないかと思われるのですが、1946年には13本塁打を浴びて被本塁打王になっています。本塁打王とともに被本塁打王にも輝いた?唯一の選手です。</p><p>これを近藤節で表現すると、「プロ野球70年の歴史を通じて、ホームラン王ばかりか被本塁打王にもなった選手は服部ひとりしかいない」という具合になるのでしょう。たぶん…。まあ、こっちの近藤節はまだ許せるのですが、私がハスに構えてしまうのは次のような部分です。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;">われらサラリーマン、どんな相手でもいい。あの男だけには死んでも負けるか――という相手をつくろう。</span> (199ページ)</p></blockquote><p>いかにも「昭和」を感じさせるのでした。もともとは『夕刊フジ』の連載ものです。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-8696501950278589289?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-68351993680676470402008-01-07T23:57:00.000+09:002008-01-10T05:03:31.001+09:00失投|ロバート・B・パーカー<p>●書名:失投<br />●著者:ロバート・B・パーカー(訳:菊池光)<br />●版元:ハヤカワ・ミステリ文庫<br />●出版:85年10月(85年11月第2刷、単行本=77年03月立風書房)<br />●定価:360円(消費税法施行前)<br />●評価:定価相応</p><p>早川文庫版は現在714円(税込)のようです。ヤフオクでは、立風書房の初版本が600円で落札されていますが、500円で出品された第2版は入札なしのまま終了しています。また、『失投』を含む文庫版6冊が980円で、22冊が2000円で落札されていますが、パーカーの代表作とも言える『初秋』を含むことから、かなりお得だったと思われます。</p><p>『失投』はスペンサーシリーズの第3弾ですが、最初に文庫化されています。私にとっては、初めて読んだロバート・B・パーカーの本でした。たしか80年代後半だったはずです。その後、文庫化されていたものは全部読んで、既刊本は古本屋で探し、新刊は単行本で揃えるようになりましたが、『ペイパー・ドール』は読んでおらず、『歩く影』以降は買っていません。</p><p>スペンサーシリーズによって、私のボキャブラリーに「ことによると」という言葉が加わりました。まあ、会話の中で使うことはまずありませんし、「セットポジション」内を検索してみても<a href="http://set333.net/puro05gaiya2.html">「外野手守備成績」</a>のページの本文3段落目で使っているだけですが、類義語となる「あるいは」、「ひょっとすると」、「もしかすると」などは多用しているはずです。</p><p>「ことによると」は<a href="http://333.set333.net/?eid=670916">「ワトソン君」</a>というハンドルにも通じるものがあるのかもしれません。そうです。ほとんどの場合、「ことによると」は「かもしれない」を伴います。呼応の関係にあります。せっかくの再読の機会ですから、「ことによると」をチェックしながら読んでみました。8カ所見つけました。</p><ol><li><span style="color:#339999;">野球見物は立体幻灯を覗くようなものだ。あらゆるものが強調されて見える。芝生は普通より緑が濃い。ユニフォームの白が実際より映えている。まわりを囲まれているせいかもしれない。焦点が狭まる。事によると、早いイニングにビールを6杯とか8杯とか飲む癖のせいかもしれない。</span> (8ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">私は役割の中に没入しかけていた。装いを忘れ始めていた。本気で興味を感じていた。事によると、質問のいくつかは自分自身に関するものであるかもしれない。</span> (50ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">係の連中の知る限りでは、マーティ・ラブは、1970年あるいはそれ以外のどの年にせよ、シカゴでリンダ・ホーキンズはもちろん、誰とも結婚していない。事によると、郊外のどこかの治安判事の立ち会いで結婚したのかもしれない。</span> (54ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">「それだったら、約束してちょうだい」<br />「いや、約束はしない。約束を果たせないかもしれないからだ。あるいは、予想外の結果になるかもしれない。事によると、私が今はまだ気づいていない理由で、あなた方の事を公表せざるを得なくなるかもしれない。しかし、万一、そうなったら、誰よりも先にあなた方に知らせる」</span> (164ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">そういうやり方は本物の鳥とサイの場合にしか通用しないのかもしれない。ことによると自分は、かえって悪い結果をもたらすような事をしているのかもしれない。</span> (185ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">「さて、君の質問の意味は、いったい、なんだ、スペンサー?」<br />「お互い、共通の問題を抱えていて、事によったら、協議して解決できるのではないか、と考えたのだ。協議だ。レスター。相談する、という意味だ」</span> (190ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">「事によると、クワークはたんに別のシステムを選んだにすぎないかもしれないわよ」</span> (207ページ)</li><br /><li><span style="color:#339999;">「とにかく、俺は、自分の死というものをかすかに味わった。誰でもたまにそういう事があるのだと思う。それが自信喪失という事になるのかどうか、俺には判らない。事によると、人間であるがために避けられない事かもしれない」</span> (268ページ)</li></ol><p>マーティ・ラブとはボストン・レッドソックスの投手です。前年は25勝6敗のエースです。私立探偵のスペンサーは球団フロントから依頼を受けます。依頼の内容はラブの八百長疑惑であり、賭博組織とのつながりです。リンダはラブの奥さんです。4番目の「事によると」はリンダとスペンサーの会話です。</p><p>7番目の「事によると」を話しているのはスーザンです。私は買いませんでしたが、『探偵と恋人の愛の会話』という本が出たほどです。クワークとはボストン警察殺人課の警部補です。スペンサーはもともと警察官でした。8番目の「事によると」はスペンサーがスーザンに対して使っています。</p><p>なお、私はまったく知りませんでしたが、スペンサーシリーズはTV化され、日本でも放映されたようです。</p><p>外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>For Kicks><a href="http://www.bekkoame.ne.jp/~r_oku/parker.htm">ROBERT B. PARKER</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6835199368067647040?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-2090608174728140212007-12-28T20:03:00.000+09:002008-01-20T17:51:37.418+09:00オールド・ルーキー|ジム・モリス他●書名:オールド・ルーキー<br />●著者:ジム・モリス、ジョエル・エンゲル(訳:松本剛史)<br />●版元:文春文庫<br />●出版:02年12月第1刷(単行本=01年05月)<br />●定価:619円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><br />33歳の内藤大助が07年度ボクシング表彰選考会で史上最年長MVPに選出されました。ジム・モリスについて、ディズニー映画などの謳い文句では「史上最年長ルーキー」となっていますが、実際は違うようです。<br /><blockquote><p><span style="color:#339999;">ESPNやほかのテレビ局のスポーツキャスターが記録をひもとき、わたしがここ30年間で最年長のルーキーだという事実を調べてきた。1970年にミネソタ・ツインズのミニー・メンドーサが36歳ではじめてメジャーでプレイしているが、わたしとの違いは、彼が1度も野球から離れたことがなかったという点だった。</span> (316-317ページ)</p></blockquote>1968年9月28日生まれの薮は05年、1970年2月14日生まれの斎藤隆は06年に、ともに36歳でメジャー初登板を果たしています。また、1960年にパイレーツのディオメデス・オリバという投手が41才でデビューしているようです。おそらく「史上最年長ルーキー」はオリバでもないのでしょうが…。 <br /><br />日本では2リーグに分立初年度の1950年、毎日オリオンズの湯浅禎夫監督(投手兼任で登録)が、同年11月5日に48歳1カ月でプロの投手として先発のマウンドに立っています。相手投手は阪急ブレーブスの浜崎真二監督で48歳10カ月ですから、単に消化試合の話題作りでしょう。<br /><br />NPBにおける「最年長ルーキー」が湯浅であることはよく知られていますが、では2番目は誰なのでしょう? 「八幡の虎」こと大岡虎雄は1949年、37歳で大映スターズに助監督兼任で入団、111打点を記録しています。三塁打が1本、盗塁も3個あります。戦後まもなくの頃なら、ほかにもいるのかもしれません。<br /><br />さて、テキサス州レーガン・カウンティ・ハイスクールで理科の先生をしていたジム・モリスには2人の子供と妻のローリがいました。野球チームも指導しているモリスは、空き地同然だったグラウンドの雑草をとり、芝の種をまき、<span style="color:#339999;">「1平方センチ余さず」</span>水をやります。<br /><br />テキサスはあまり野球が盛んな土地柄ではないそうです。まったく野球経験のない子供も入ってきます。かつてシングルAでプレイしたことのある理科の先生も大変です。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">彼らは聞いた。きみたちはすぐれている、というわたしの言葉に耳を傾けた。ほんとうはすぐれていたわけではない――が、どうしてそのことを知らせる必要がある? 彼らに必要なのは励ましだった。だれにでも励ましは必要だ。勝者になるためには、勝つことを信じなければならない。</span> (250ページ)</blockquote>そのとおりです。誰もが必ずしも本当のことを知る必要はありません。ローリが3人目の子供を出産して迎えた翌年のシーズン開幕前、モリス先生は選手たちを用具小屋の前に集めて説教を始めます。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">「きみたちがそろそろ知っておいたほうがいいのは、何事かをやりとげるには夢が必要だってことだ。夢をもたなきゃいけない。夢のない者はこの世界ではゼロに等しい。きみらには夢が要る。夢は大きいほど、なしとげられるものも大きくなる。そして大きなことをなしとげるほど、きみたちはさらに先まで進むことになる」</span> (265ページ)</blockquote>説教が終わったとき、キャッチャーのジョエルはこう反応します。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">「ねえコーチ、もしぼくらがプレイオフまで行ったら」と彼はいった。「メジャーリーグのチームのトライアウトをうけてください」 </span>(267ページ)</blockquote>「夢」を追ってきた先生は冷静です。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">夢のなかには姿を変えた悪夢あると、そう彼らに伝えたところでなんの意味がある?<span style="color:#000000;"> <略> </span>彼らの闘志に火をつけるためにおとぎ話が必要だというなら、喜んでこのわたしがマッチをすろうじゃないか。</span> (268ページ)</blockquote>チームは地区優勝を果たします。先生は約束を守るために3人の子供を連れてトライアウト会場に向かいます。合格。キャンプ、ダブルA、トリプルA、そして1999年9月18日のメジャー昇格当日に地元で登板します。35歳でした。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">わたしの倍の年齢の人たちが握手を求め、あなたには感動させられたと声をかけてきた。わたしはだれかを感動させているなどとは感じていなかった。生計も立てられず家族を失ったただの中年男だと感じていた。崇高だの感動だのとはほど遠い気分だった。</span> (304ページ) </blockquote>内藤にも同じような発言があったと記憶していますが、洋の東西を問わず、こうした選手の出現に人は勇気づけられるものなのでしょう。<br /><br />ちなみに、1999年9月24日現在の勝敗表がリンク先に掲載されていますが、タンパベイは4位のボルチモアから10ゲーム離されてアメリカンリーグ東地区で最下位です。プロである以上、「話題作り」が必要なことも、洋の東西を問わないわけです。<br /><br />なお、私は映画は見ていませんが、たぶん原作の前半部分をはしょっているはずです。<br /><br />外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>Baseball Almanac><a href="http://www.baseball-almanac.com/players/player.php?p=morrija03">Jim Morris Stats</a><br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>週刊メジャーリーグ><a href="http://www.geocities.co.jp/Athlete/7164/magazine018.htm">1999年9月26日配送</a><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-209060817472814021?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-25116658229427353712007-12-25T19:33:00.000+09:002007-12-26T19:56:55.121+09:00パワープレイ|内藤誼人●書名:パワープレイ 気づかれずに相手を操る悪魔の心理術<br />●著者:内藤誼人<br />●版元:SB文庫(ソフトバンクパブリッシング)<br />●出版:05年06月第1刷(単行本=02年12月)<br />●定価:680円(税込)<br />●評価:200円以下なら<br /><br />「パワープレイ」と言うと、反則一時退場により数的優位に立った側の攻撃を指すアイスホッケー用語です。古本屋で背表紙のタイトルに反応して手にとってみましたが、別にアイスホッケーのことが書いてあると期待したわけではありませんでした。<br /><br />サブタイトルを見て、「はあ?」と思いながら、中身をパラパラめくってみました。買うほどのことはないと本棚に戻そうとしたとき、なにかアクシデントが起きたようです。通路の狭い店だったので、後ろを通る人のために体をずらしたのかもしれません。<br /><br />本来戻すはずの本書を戻さず、買うために持っていた別の本を戻してしまいました。いつものように3~4冊買ったのでレジでも気づかず、電車のなかで「やっちまった」とホゾを噛んだ次第です。今年の初めだったと記憶しています。以来、ずっと放置していました。<br /><br />まあ、これも何かの縁かもしれず、読んでみました。基本的にはビジネスマン向けの実用(なのか?)書です。帯には<span style="color:#339999;">「これ以外、何もいらない。最強の交渉術、その全貌。何気ないしぐさや行動で、相手を思い通りに動かす『パワープレイ』。ビジネス書業界に革命を巻き起こした禁断の書。待望の文庫化。」</span>という意味のないありふれた惹句が羅列されています。<br /><br />思わず突っ込みたくなった箇所はたくさんあります。<br /><blockquote><p><span style="color:#339999;">並んで歩くときには、相手の左側に位置するように歩くと、相手の正常な思考を奪うことができる。私たちは<strong>無意識のうちに心臓を守ろうとする</strong>ので、他人が左側にいると落ち着かない気分になる。逆に、相手をリラックスさせたい場合には、戦略的に右側を歩けばいい。意識的に心臓から離れてあげることで、相手の警戒心はゆるむだろう。</span><span style="color:#000000;"> (46ページ)</span></p></blockquote><p>これが本当に事実なら、相手の右側を歩くときは自分の左側に相手がいるのですから、自分は正常な思考を奪われることになるはずです。きっと、3人以上で並んで歩くときに真ん中に入ると、左側にいる人には警戒心を持ち、右側にいる人には心を許すことになるのでしょう。</p><p>私はレントゲン写真を見ていた医者に心臓が真ん中に寄っていると言われたことがあります。だとすると、誰かが私の左側に回ってもあまり効果は期待できないものかもしれません。</p><blockquote><p> <span style="color:#339999;">私たちの顔は、右半分と左半分で微妙に違っている。私たちの感情や情緒をつかさどっているの右脳だが、右脳は顔の左半分を支配している。そのため、<strong>感情は顔の左側のほうが豊か</strong>なのである。個人差はあるかもしれないが、どんな人でも顔の左側のほうが魅力的に見えるわけだ。<br /></span> <略><br /> <span style="color:#339999;">この原理は、写真家や画家には昔から知られていたらしい。実際、写真や絵画では、たいていは顔の左側を強調するようなポーズをモデルにとらせている。</span> (226ページ)</p></blockquote><p>では、この原理を知っていた写真家なり画家なりとは誰のことでしょう? <span style="color:#339999;">「昔から」</span>とは、具体的にはいつ頃からなのでしょうか? 楔形文字の時代からなのか、中世なのか、産業革命以降なのか、ぜひ教えていただきたいものです。</p><p>たしかにモナリザは顔の左側を見せていますが、岸田劉生の麗子像(「麗子微笑」とも呼ばれる一番有名なもの)は右側を見せています。そういえば、ゴッホは数多くの自画像を描いています。次のWeb ページに掲げられた32点の自画像は、右向きと左向きが16点ずつでまったくイーブンでした。<br /><br />外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>酒井式ハンドブック>ゴッホの自画像><a href="http://www.xs4all.nl/~warrink/600x800/800x600/selfportraits.htm">自画像の数々</a><br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>東京国立博物館><a href="http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B07&amp;processId=02&amp;colid=A10568">麗子(れいこ)</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-2511665822942735371?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-88379869668498545862007-12-24T14:08:00.000+09:002008-01-20T18:12:32.865+09:00阪神タイガース|吉田義男●書名:阪神タイガース<br />●著者:吉田義男<br />●版元:新潮新書<br />●出版:03年09月<br />●定価:714円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><br />昔、古本屋で105円で買いました。タイガースが優勝した2003年に出た本ですが、吉田氏は1985年の優勝監督です。<br /><blockquote><span style="color:#339999;"> これまでの球界は、巨人が先頭を走り、その他の球団が追随する形で発展してきた。そうした“巨人一極時代”が終わって、阪神と巨人が真の意味で競い合う二極時代、もしくは“阪神一極時代”が到来することさえあり得る。<br /> マジメな話だ。本気で私はそう考えている。</span>  (10ページ)</blockquote>18年ぶりに優勝しただけでここまで書けるとは、「ご祝儀」分を差し引いても、たいしたものです。まあ、この程度のことは書いておかないと許してもらえないのがタイガース・ファンというものなのかもしれません。ちなみに、タイガースの04年以降の成績は次のとおりです。<br /><ul><li>04年:66勝70敗2分 .485 ドラゴンズに13.5ゲーム差の4位</li><li>05年:87勝54敗5分 .617 ドラゴンズに10.0ゲーム差でリーグ優勝</li><li>06年:84勝58敗5分 .592 ドラゴンズに3.5ゲーム差の2位</li><li>07年:74勝66敗4分 .529 ジャイアンツに4.5ゲーム差の3位</li></ul><p>タイガースの一極時代どころか、GT二極時代にもなっていません。05年の日本シリーズでは1度もリードを奪うことなく4タテを食らいました。日本シリーズで0勝4敗のチームは、57年ジャイアンツ(1分け)、59年ジャイアンツ、60年大毎オリオンズ、75年カープ(2分け)、90年ジャイアンツ、02年ライオンズに次いで7チーム目ですが、リードを奪うことさえなかったのは初めてでした。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;"> 阪急をお断りした私は、最初、同志社大のセレクションを受けてみたとこと、合格が内定したのだが、それを知った立命館大の永田郁二先輩から、声がかかった。<br />「こちらの得た情報では、吉田は大学へ進まない、ということだったので声をかけなかったが、大学で野球をやるつもりなら、今からでも遅くないから、ぜひ立命館へ来てほしい。授業料も免除になるように取り計らってみる」<br /> というのである。</span> (42-43ページ)</p></blockquote><p>実際に授業料免除だったのかどうかは触れられていませんが、吉田氏は立命を2年で中退してタイガースに入団しているわけです。当時はそれも「あり」だったということでしょう。と言うより、それが当たり前だったのかもしれません。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;">私の4年後に入団した天才肌、鎌田実は高校時代には遊撃手だったが、プロ入り後、二塁手にコンバートされた。彼もまた、とんでもなくうまかった。どう捕って、どう投げてくるか、味方でも予測のつかないプレーをしばしば見せた。その集大成が名人技と言われたバックハンド・トスだ。捕球するや否や、体勢をまったく変えず、つまりホーム方向を向いたままの姿勢で、右ヒジから先の動きだけで二塁方向へバックトスを送り出してくるのだ。</span> (80ページ)</p></blockquote><p>昔から<a href="http://set333.net/puro15pojisyon.html">ショートは人材供給のポジション</a>だったようです。吉田氏自身も選手生活晩年は藤田平にショートのポジションを譲ってセカンドに回っていますし、藤田平も最後はファーストでした。</p><p>ところで、迂闊にも私は気づいていませんでしたが、東映フライヤーズの<a href="http://set333.net/kodawari10fauru.html#04_mlb">久保田治(投手)が3回表先頭打者として小山正明に19球投げさせた</a>1962年日本シリーズ第7戦は「小山入浴事件」の試合なのでした。</p><p> 東映 000 000 000 101 =2<br /> 阪神 000 000 000 100 =1 (フライヤーズ4勝2敗1分)</p><blockquote><p><span style="color:#339999;">試合が動いたのは10回、東映が1点を取ると、阪神もその裏、藤井栄治の適時打で追いついた。絶対に負けられない。阪神ナインは燃えていた。<br /> さあ11回、と思ったそのとき、藤本監督は異変に気付いた。小山がいない。あろうことか、マウンドに立つはずの小山は、11回の失点で「もう負けた」と決め込んで引き上げ、風呂に入っていたのだ。</span> (109-110ページ)</p></blockquote><p>このように小山は(勝手に)一風呂浴びたわけですが、11回から登板した村山実は次の12回に決勝ホームランを浴びています。まあ、小山の投球数は10回で163球ですから、タイガースとしては遅かれ早かれ村山につなぐしかなかったわけですが…。</p><p>さて、吉田氏は1990年から6年間フランスのナショナルチームの監督を務めました。タイトルがタイトルだけに別に期待していたわけではありませんが、その間のことはたった4ページです。まあ、そんなことを書いても本は売れないものなのでしょうが…。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-8837986966849854586?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-56947188352599842832007-12-23T11:42:00.000+09:002008-01-10T05:12:39.974+09:00ミステリーでも奇術でも|泡坂妻夫<p>●書名:ミステリーでも奇術でも<br />●著者:泡坂妻夫<br />●版元:文春文庫<br />●出版:92年10月第1刷(単行本=89年10月)<br />●定価:380円(税込)<br />●評価:200円以下なら</p><p>考えてみれば、(古)本屋に行く時間がないのに、本を読む時間はあるというのも不思議な話ですが、最近はそういう環境にいるのですから仕方がありません。「おっ、これは読んでないはず」だと取り出したのが本書です。</p><p>アマゾンでは274円から出ています。ちょうどヤフーオークションで出品中ですが、300円は欲張りすぎというものでしょう。たしかに今では(やや)「入手難」かもしれませんが、文庫本に「初版」はあまり関係ないと思われます。どっちにしても、私は初版本マニアではありません。まあ、泡坂ファンなら読んでみたいものでしょうし、意外と300円でも残り10時間で入札者が出るものかもしれませんが…。</p><p>あちこちの雑誌に発表されたエッセイ集ですので、内容が派手にかぶります。泡坂氏の本業?である「紋章上絵師」はくどいほど出てきます。</p><blockquote><span style="color:#339999;"> それから5年ばかりして、私は小説を書くようになり『煙の殺意』という作品で、このことを思い出して変な殺人の動機を考え出した。<br />「どうだ。作家というのは、どんな失敗をしても無駄にはしないだろう」<br /> と、私は妻に自慢した。<br /> 処女作が世に出て2年目。だから、まだこんな呑気なことが言えたのだ。<br /> 失敗も無駄にしないということは、日常の生活を全部、仕事の材料にしなければならないということが最近になって判り、恐怖に陥っている。それでは落ち着いて酒を飲んだり遊んだりはできないではないか。最近、自分の目付きが悪くなった、と密かに思っている。</span><span style="color:#000000;"> (195-196ページ)</span></blockquote><p>私がサイト運営を始めて8年目になります。私も「転んでもタダでは起きない」と自慢するクチですが、そのせいかネタに困ったという経験はまだありません。常に多量の積み残しを抱えていて、「二遊間の守備率」とか「1975年カープ初V」とか、<a href="http://set333.blog.shinobi.jp/Entry/75/">「やりかけのリスト」</a>に加えられないほどです。もちろん、求められている水準が違いますけど…。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5694718835259984283?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-62154037437174318182007-12-22T21:43:00.000+09:002007-12-29T03:20:16.888+09:00旋風|泡坂妻夫●書名:旋風<br />●著者:泡坂妻夫<br />●版元:集英社文庫<br />●出版:95年02月第1刷(単行本=92年05月)<br />●定価:580円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><br />(古)本屋に行く時間がなかなかとれずに、昔の本を引っ張り出して読みました。Timebook Townやビットウェイブックスでは税込525円です。<br /><br />主人公は鹿児島の道場で柔術を学んでいた織口哲。上京して1週間後、何者かに崖から突き落とされます。裸で…。<br /><blockquote><span style="color:#339999;"> ここで苛立っても無駄だと思い、焦燥を沈めようとすると、本能的な憤怒が頭を持ち上げてきた。それも、誰にぶつけていいか判らない口惜しさだ。<br /> 哲は再び水を頭に掛け、復讐はこの五体で行う、と決心した。警察も裁判も頼らない。自分の加害者をこの目で確認し、この身体で倒すのだ。今、何1つ持っていないが、切札はある。それは、自分が生きているという事実だ。</span> (7ページ)</blockquote>なにやらハードボイルドっぽい雰囲気がありますが、泡坂作品としてはやはり異質であり、大がかりなトリックもないので、泡坂ファンにはやや物足りないかもしれません。<br /><br />哲が崖に落とされたのは、文目(あやめ)川が流れている山梨県の納戸(なんど)というところだそうです。一応、調べてみましたが、「納戸」も「文目川」も実在しないようです。哲が通っていた加治木先生の道場は「八星(やぼし)流」という流派ですが、これも同じ名前では実在しないと思われます。<br /><br />タイトルの「旋風」は八星流に伝わる必殺技の名前です。犯人探しを軸にストーリーは展開するのですが、「事件」は柔術と柔道の対立だけでなく、哲の出生の秘密が関わってきます。あいにく私は自分の出生に疑いを持ったことはありませんが、モグリの産科医・芝谷先生の言葉だけ書き留めておきます。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">大方の動物は、まだ一人前に成長しないうちに親から去って行くか、親の方で追い立てる。親などの顔を全く知らんというのも多い。人間がそうできないのは、いろいろの下らん物を身に着けてしまったからだ。人は社会のただ中に生まれなければならない。多勢の人間が鉄の鎖を持って待ち構えている。その中に赤ん坊が生まれ落ちるのだ。赤ん坊はなにも知らないまま鎖につながれてしまう。人生で重要なのは下らぬ物に煩わされず、大切な生命を自分の信念で生きていくこと。親が恋しければ、大空が父、大地が母と思えばいい。</span> (242-243ページ)</blockquote><p>平成12年7月27日付の東急東横線初乗り切符と「とんかつ さぼてん」のスタンプカードが「しおり」代わりに挟み込まれていました。どうやら(前?)所有者はキセル行為を働いていたことがあるようです。</p><p>外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>taipeimonochrome><a href="http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=385" rel="bookmark">旋風 / 泡坂 妻夫</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6215403743717431818?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-69166618930109407592007-12-09T08:18:00.000+09:002007-12-29T03:21:05.111+09:00鈍い球音|天藤真●書名:鈍い球音<br />●著者:天藤真<br />●版元:角川文庫<br />●出版:80年03月(81年07月4版)<br />●定価:340円(消費税法施行前)<br />●評価:定価以上<br /><br />好きなミステリー作家を3人あげろと言われたら(国内)、私は躊躇することなく志水辰夫、泡坂妻夫、天藤真を指名します。『鈍い球音』は1971年に青樹社から発行されているようです。日本の野球小説としては今でも一級品です。<br /><br />角川文庫版を古本屋で探すのは絶望的でしょうが、青樹社の新書版や創元推理文庫版ならアマゾンやスーパー源氏に出ています。野球ファンの間ではあまり有名ではないようですが、ミステリーファンには評価が高いはずです。<br /><br />万年最下位の東京ヒーローズ球団を就任1年目で一躍リーグ優勝に導いた桂監督が、日本シリーズの2日前に<span style="color:#339999;">「ほとんど居なくなって」</span>しまいます。桂監督不在で3連敗を喫した東京ヒーローズですが、竹山監督代理も第3戦後に<span style="color:#339999;">「肉体的に行方不明」</span>になります。<br /><br />3勝3敗で迎えた第7戦当日の早朝、今度は桂監督令嬢?が<span style="color:#339999;">「頭から足のさきまで」</span>いなくなります。連続失踪事件です。<br /><br />さて、代理失踪のあと、選手の投票によって臨時監督代理を引き受けた立花コーチは、スタメンから外れることの多かった長塚というベテラン選手を第4戦の7番打者に起用します。<br /><br /><blockquote><span style="color:#339999;">初打席では三球三振だった。2度目のこの打席でも第1球の外角速球は茫然と見送り、2球目のチェンジアップのカーブを猛然と振ったが、バットと球の間はボーイング727が通れるぐらい空いていて、おまけにぶざまにひっくりかえった。<br /> 砂だらけになって立ち上がった彼は「畜生」と唸り、目を血走らせて打席へ入り直した。その力んだかっこうを見て、投手の峰岸はちらり白い歯を見せた。<br /> <もう一ぺん、踊らせてやろうか><br /> ふと軽い気持で、捕手の直球のシグナルに首を横に振り、意表をつくつもりで同じカーブを投げたのが致命傷になった。それがこの古狸の罠だったのだ。<br /> きれいにバットが出て、球は左中間へ転がり、顔色をかえて振り向いた峰岸の目のまえで、長塚は二塁ベスに突っ立って、ニヤッと笑ってみせた。<br /> 「すまねえな。ストレートは打てそうもないから、ちょっと古い手を使わせてもらったんだ」</span> (176-177ページ)<br /></blockquote>まあ、三味線は昔からある「古い手」なのでしょう。ただ、やはり三味線が似合うのはベテラン選手であって、三味線と「初歩的」とはどうも合わないような気がします。<br /><br />野球とはそういうゲームだよなあとしみじみ余韻に浸れるのがラストシーンですが、ネタバレは避けなければなりません。<br /><br />外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>横町の名探偵><a href="http://homepage1.nifty.com/kobayasi/biblio/tendo.htm">天藤真著作リスト</a><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6916661893010940759?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-49399976641068440812007-12-02T11:39:00.000+09:002007-12-29T03:17:16.030+09:00野村克也「頭の使い方」|永谷脩●書名:野村克也「頭の使い方」<br />●著者:永谷脩<br />●版元:知的生きかた文庫(三笠書房)<br />●出版:06年03月第1刷(単行本?=『野村克也「勝利の方程式」』同社)<br />●定価:579円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><br />奥付の前のページに次のようにあります。<br /><blockquote><p><span style="color:#339999;">本書は、小社より刊行した『野村克也「勝利の方程式」』を改題、加筆したものです。</span></p></blockquote><p>何年の出版なのかということは、きわめて重要な書誌情報だと思われるのですが、その記載はありません。だいたい「知的生きかた」の時点で、薄気味の悪さに引いてしまうのは私だけではないでしょう。まあ、程度の知れた「知的」さだということはわかっていますので、普段は素通りするだけで手を出しませんが…。</p><p>もちろん、古本屋で買いました。量産ライターのものを新刊で買うわけがありません。永谷氏が書いた野村ものなら、暇つぶしにはなります。一定水準は確保されているはずです。楽天ブックスで調べてみたら、単行本は1997年11月出版ということでしたが、同名の文庫本が1996年05月に出ているようです。そればかりか、文庫では改訂新版が99年06月に出ています。あざとい商売のことを「知的」と言うのかもしれません。</p><p>実際には97年シーズンに関する記述が多く、99年以降のタイガース時代の話はあまりありません。おおむね97年11月の単行本がベースになっているものと思われます。</p><p>97年は野村監督が最後に優勝したシーズンです。アンチGファンが溜飲を下げたに違いない小早川の開幕戦3連発の年です。開幕戦は先発・ブロスのあとを、わざわざ野中、広田とつないで、最後は左の加藤で締めくくりました。私はラジオ中継を聞いていました。どこまでもイヤミなおっさんだわい、と思いました。</p><p>前年8打数1安打の小早川がソロ3発を放ち、一面見出しを確実にしているところで、ご丁寧にテスト生の野中と広田を絡ませたのです。翌日の新聞記事がどうなるかは想像がつきます。野村監督の注文どおりでしょう。ほかに書きようがありませんから…。</p><p>「セットポジション」には「後半勝負」というページがあります。97年のS対G7回戦です。逆転タイムリー二塁打を打った<a href="http://set333.net/nettou08kouhann.html#09">古田の三味線?</a>について、次のような記述があります。この場面は2球連続ストレートで、初球は怪しい空振りでした。古田は2球目を打ちました。</p><blockquote><p><span style="color:#339999;"> 初球、古田はストレートにまったく合っていないかのように空振りをする。若い入来-柳沢のバッテリーは、当然のようにストレートが合わないと勢い込む。古田はバットを短く持ちかえて、同じ球を待つ。<br /> "空振りをして同じ球を待つ”という初歩的なヤマの張り方だが、ピンチを迎えた若いバッテリーには、それが見える余裕はない。<br /> 一方の古田は、野村監督によれば、"空振りして同じ球を待つ”という読みだけで待っていたのではなかった。<br /> 野村監督は、古田の一打についてこう分析した。<br /> 「前の対戦の時(97年5月7日)に、古田は同じバッテリーからダメ押しの本塁打をレフトに打っている。だから、同じ球がこないだろうと、わざとストレートを投げさせるようにしたのではないか。ところが相手は何も考えないまま、勢い込んで力だけできたから、まんまとこれにはまった。古田が考えた“裏の裏は表”と、“何も考えない表”とが一致しただけなんや」</span><span style="color:#336666;"> </span><span style="color:#333333;">(63-64ページ)</span></p></blockquote><p>一番肝心な記述がありません。古田が5月7日に打ったホームランはストレートだったのでしょうか。だとすれば、入来は初球から同じストレートを投げ込んできたことになります。無防備すぎます。古田の不自然な空振りは戸惑いの産物だったのかもしれません。</p><p>一方、5月7日のホームランが何かしらの変化球だったのだとすれば、入来がストレートを2球続けたのは理解できます。もっとも、前回もストレートを打ったと見るほうが、「何も考えない表」という表現がしっくりくるのですが…。</p><p>まあ、空振りで同じ球を待つのが「初歩的」かどうかは別にしても、やはり古田クラスの打者でないと、三味線だとは受け取ってもらえないものかもしれません。</p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-4939997664106844081?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-51666111944430408022007-11-21T13:32:00.000+09:002007-12-29T03:17:35.614+09:00監督|海老沢泰久●書名:監督<br />●著者:海老沢泰久<br />●版元:文春文庫<br />●出版:95年01月第1刷(単行本=79年03月新潮社)<br />●定価:530円(税込)<br />●評価:定価相応<br /><br />野球小説としてつとに有名な作品です。評も数多く出ています。どうやら絶版になっているようですが、古本屋を探せば比較的容易に見つかるはずです。新潮文庫版(82年)もあります。<br /><br />本書は岡田オーナーの御前試合の描写から始まります。問題の7回裏は<span style="color:#339999;">「1番からの好打順」</span>だそうです。エンゼルスは7回表終了で5-0とリードされていることから、6回まで3者凡退を繰り返していたか、6回で9残塁だったか(18残塁の可能性もありますが…)です。<br /><br />6回で9残塁無得点なら、かなり多いほうですし、もしエンゼルス打線が堀内の“完全”ペースに陥っていたのなら、観戦中の岡田オーナーが苛立っていてもよさそうですが、その辺りの描写はとくにありません。<br /><br />ルール上、1イニングに6本のシングルヒットが集中しても得点できない可能性があるのですが、本書の冒頭部分には、ドンケツ・エンゼルスの<span style="color:#339999;">「何とも信じられない」「真の奇跡」</span>のシーンが描かれています。<br /><ul><li>シングルヒット2本で無死1・2塁</li><li>センター前ヒットで二塁走者が本塁タッチアウト、一死1・2塁</li><li>レフト前ヒットで二塁走者が本塁タッチアウト、二死1・2塁</li><li>内野安打で二死満塁</li><li>一塁横の痛烈なライナーが一塁走者に当たってチェンジ(記録は安打)</li></ul>日本のプロ野球では「1イニング5安打で無得点」が2度あるそうです(頁末リンク参照)。私が見た試合では、たぶん「1イニング4安打で無得点」が最高のはずです。スコアブックを全部ひっくり返せば「5安打無得点」があるかもしれませんが、もしそんなシーンを見て色めき立たないようなら、記録マニアとして失格の烙印を押されても反論できません。<br /><br />私が見た「1イニング4安打で無得点」は03年4月12日の千葉県大学リーグ、国際武道大対城西国際大戦の4回裏城西国際大の攻撃(投手:比嘉)でした。<br /><br /><ul><li>4番・石田 中安で無死1塁</li><li>5番・照沼 エンドランが右飛で石田戻れず2死</li><li>6番・宍倉 左安で2死1塁</li><li>7番・新井 遊安で2死1・2塁</li><li>8番・佐藤剛 左安で宍倉が本塁タッチアウト</li></ul>「4安打」でもそう簡単には見られません。また、スリーアウト目が「守備妨害」でない限り「6安打無得点」は成立しません。走者が打球に触れるとその走者はアウトとなり、打者にはヒットが記録されることになっているからです(例外あり→規則条文は<a href="http://set333.net/josi03kyatti.html#nazo">「1勝への1歩」</a>に引用済み)。<br /><br />さて、本書を読んだのはずいぶん前ですが、色褪せた付箋が1枚だけついていました。とても気になります。コーチとして迎え入れることになる渡会と広岡監督との会話の場面です。広岡達朗は37本塁打104打点で51得点の4番打者ハドソンを放出しようとしていました。<br /><br />この付箋にはどんな意味があるのだろうと考えたワトソン君は、ある結論に思い至りました。きっと、マニエルの成績を調べろということなのだろう、と。というわけで、十数年前の疑問にチャレンジしてみます。たとえ忘れやすくても、ワトソン君はしつこいのです。<br /><br />Wikipediaでチャーリー・マニエルの打撃成績を調べてみると、トレード前の1978年は39本塁打103打点で85得点です。77年の42本塁打70得点はさすがに問題がありそうですが…。まあ、やはり本書はフィクションとして読むべきなのでしょう。<br /><br />ついでですから、本塁打王を獲得したことのある主な外国人選手の通算成績を比較してみます。<br /><br /><ul><li><span style="font-family:arial;">621試合368得点644安打189本塁打491打点 マニエル(76-81年) </span></li><li><span style="font-family:arial;">510試合277得点479安打155本塁打371打点 ソレイタ(80-83年) </span></li><li><span style="font-family:arial;">773試合512得点778安打259本塁打641打点 ブライアント(88-95年)</span></li><li><span style="font-family:arial;">517試合331得点476安打160本塁打389打点 デストラーデ(89-92、95年) </span></li><li><span style="font-family:arial;">756試合511得点813安打223本塁打594打点 ペタジーニ(99-04年) </span></li><li><span style="font-family:arial;">827試合536得点923安打273本塁打686打点 カブレラ(01-07年)</span> </li><li><span style="font-family:arial;">684試合419得点716安打205本塁打539打点 ウッズ(03-07年)</span> </li></ul><p><span style="font-family:Arial;">本塁打を得点で割ると、マニエル51.4、ソレイタ56.0、ブライアント50.6、デストラーデ48.3、ペタジーニ43.6、カブレラ50.9、ウッズ48.9です。マニエルは6年で6盗塁、ソレイタは4年で2盗塁ですから、やはりマニエルはソレイタには負けていたようです。</span><br /><span style="font-family:Arial;"></span><br />外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>fj.rec.sports.baseball FAQ><a href="http://cgi.sainet.or.jp/~nishizak/baseball_faq/trivia.html#T1">プロ野球、好プレー・珍プレー、快記録・珍記録、珍事件</a></p><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5166611194443040802?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-77368254165674805052007-11-10T23:26:00.000+09:002007-12-29T03:19:11.562+09:00野球スコアブックのつけ方|庵原英夫●書名:野球スコアブックのつけ方<br />●著者:庵原英夫<br />●版元:有紀書房<br />●出版:91年01月<br />●定価:500円(税込)<br />●評価:200円以下なら<br /><br />私が初めて球場でスコアをつけたのは、91年3月12日の川崎球場、オリオンズ対ファイターズのオープン戦でした。魔が差して?いきなり思いついたので、まったく準備していませんでした。実際につけてみると、結構忘れていました。試合中、たびたび往生したのです。この本は、その翌日ぐらいに渋谷で買ったのを覚えています。一応、参考にはしましたが、正直に言えば、あまり役には立ちませんでした。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">この記録法は山</span><span style="color:#ff6666;">口</span><span style="color:#339999;">以九士氏に受け継がれ、今日ではプロ野球の公式記録法として残っています。</span> (13ページ)</blockquote>いやしくもスコアのことを書いた本が山<span style="color:#ff0000;">内</span>以九士(やまのうち・いくじ)氏の名前を間違っていいはずがありません。校正担当の編集者が知らないのは仕方がないとしても、校正で直されていいようなミスではないのです。早稲田の総長が「大<span style="color:#ff0000;">熊</span>講堂」と書くようなものです。口述筆記でもしたのでしょうか?<br /><br />好意的に考えれば、突っ込みどころが多いという楽しみはあります。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">死球は『DB』です。単に『D』だけでもよいのですが、ここはやはり『DB』の方が英語を正しく表記するという意味ではよいでしょう。</span> (37ページ)</blockquote></span>鼻の先で笑いたくなります。死球とは、英語で正しく表記すると「DEAD BALL」だったのでしょうか? まあ、私は「D」を使っていますけど…。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">スコアカードのつけかたは、高校野球でも変わりはありません。プロ野球と違って複雑なプレーは少ないですから、比較的楽につけられるかも知れません。まだスコアカードのつかかたになれていない人は高校野球からはじめていくのも、ひとつの方法でしょう。</span> (62ページ)</blockquote>これを本気で書いているのでしょうか? 一般的にレベルが低いほど「複雑な」プレイが発生しやすいものです。試合のテンポもプロ野球のほうが遅いので、私は初心者にはプロ野球をおすすめします。甲子園ならいざ知らず、高校野球では交代選手さえわからないことも多いのです。<br /><br />98年に新訂版が出て、今は税込588円のようです。私なら、絶対に!その値段では買いませんが…。もし新訂版をお持ちの方は、「山口」が訂正されているかどうかご確認のうえ、お知らせいただければ幸いです。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-7736825416567480505?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-13639062513195505772007-11-06T08:10:00.000+09:002007-12-23T00:19:51.084+09:00グーグル Google|佐々木俊尚●書名:グーグル Google 既存のビジネスを破壊する<br />●著者:佐々木俊尚<br />●版元:文春新書<br />●出版:06年04月(06年05月第5刷)<br />●定価:798円(税込)<br />●評価:400円以下なら<br /><br />ブックオフで210円でした。まあ、新刊で買っても損はしなかったかな、と。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">新聞社は記事を無料で提供するかわりに、「バナー広告」で利益を上げている。バナーというのは「横断幕」の意味で、ホームページの上部などに横に長く表示されるインターネット広告のことだ。<br /> そしてこのバナー広告はたいてい、トップページが最も高い広告料金になっている。だからホームページを開設している新聞社はどこも、なるべく利用者が最初にトップページを見てくれるように努力しているし、個人のブログやホームページが新聞社のホームページにリンクを張る際も、個別の記事にリンクを張ることを禁じている。</span> (25ページ)</blockquote>本当にこんな理由なのでしょうか? 私は懐疑的なのですが、どうやらそうらしいのです。<br /><br /><blockquote>http://blog.chugoku-np.co.jp/fureai3/?date=20071013<br /><span style="color:#339999;">中国新聞でもそうなのですが、リンクを張るときはHPのトップページに限定するように制限しています。なぜかと言いますと、トップページの下の階層にある個別の記事に直接リンクを張られますと、読みに来たときにトップページをスルーしてしまうんですね、そうするとトップページのアクセス数が増えることに貢献しないわけです。トップページにはバナー広告がありますでしょ、その料金はアクセス数の多い少ないが基準になりますので、新聞社としては少しでもアクセス数を増やしたいんです。それで記事への直接リンクはお断りする、ということになっているんです。</span></blockquote>実は、中国新聞社のWebサイトにはリンクポリシーの記載は見当たりません。06年2月に作成した<a href="http://set333.net/kanri01sinbun.html">「主要メディアのリンクポリシー」</a>でも「リンクポリシーの記載が見当たらなかった47社」に分類しています。念のために、再度検索してみましたが、私には見つけることができませんでした。まあ、この際、それはどうでもいいことです。<br /><br />もし広告料金のことを気にするのなら、むしろ個別ページへのリンクを積極的に歓迎することで、個別ページのアクセスを増やすように誘導したほうが得策ではないかと愚考するですが…。トップページのアクセスが減りトップページの広告料金が下がっても、個別ページのアクセスが増えて個別ページの広告料金が上がるならペイできるものではないのでしょうか?<br /><br />広告収入は総体として確保すればいいのです。リンクの垣根を高くすれば、(上で私がやったように)URLだけ掲出してリンクしないこともあるでしょうし、サーチエンジンのキャッシュやウェブ魚拓を使うこともあるでしょう。結果的には、収益を上げるチャンスを自ら放棄しているわけです。この国のメディアの方々は(一部を除いて)そんなにアホなのでしょうか?<br /><br />さて、本書の書評は数多く出ていて、いまさら感がありますので絞り込みます。メールアドレスの登録を要するGoogleのサービスやツールで、私が利用しているのは、iGoogle、アラート、Gmail、YouTube、ドキュメント、ノートブック、Blogger、ウエブマスターツール、Adsenseです。今年買ったVistaには、Googleツールバーがプリインストールされていました。今回はマイクロソフトオフィスをスタンダード版でつけましたが、次回からはもう必要ないかもしれせん。<br /><br />アラートはたしかに便利です(自分のサイトのお知らせは必要ありませんけど…)し、おかげさまで重宝しています。ウェブ履歴も感激しました(VistaではIEを使っていますから…)。それよりも驚いたのは、Googleマップの航空写真でした。球場の航空写真が見られるというのは画期的なことであって、屋根があるかどうかを事前にチェックできるようになったわけです。<br /><br />本書には<span style="color:#339999;">「グーグルマップ上では、沖縄の嘉手納基地をはじめとする米軍の基地やホワイトハウスなどの精密航空写真は、なぜか見られないように処理されている」</span>(225ページ)と書かれています。たしかに嘉手納基地は雲が邪魔で見えない部分がありますが、すくなくとも今ではホワイトハウスは完全な状態で掲載されています。<br /><br />便利になったものだと思う反面、デスクトップ検索を試みたとき、禁断の扉を開いたのかもしれないという不安にかられたのも冷徹な事実です。全部Googleさんに握られてしまうことに警戒心を拭えないのが正直なところです。ですから、実際にはGmailも使いませんし、ノートブックはあくまでも下書用として使い、ドキュメントには1件も保存していません。<br /><br />ところで、Googleはスタンフォード大の2人の大学院生が始めた企業です。あるベンチャーキャピタルの幹部はこの2人の学生と接点があったにもかかわらず投資せず、莫大な利益を逃したことを自社のホームページ上で告白しているのだそうです(156ページ)。こうした懐の深さには脱帽するしかありません。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-1363906251319550577?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-57953624820064216702007-10-31T09:11:00.000+09:002007-12-29T03:19:38.181+09:00野球スコアのつけ方|大島信雄●書名:野球スコアのつけ方<br />●著者:大島信雄<br />●版元:成美堂出版<br />●出版:82年03月<br />●定価:500円<br />●評価:200円以下なら<br /><br />私は高校時代にこの本を買いました。1978年前後かと思われます。明星と下関商の決勝(63年夏)のスコアが載っていたのを覚えています。著者は大島氏でしたし、版元も成美堂でした。<br /><br />先日、古本屋で見つけました。奥付では82年刊ですから、私が昔読んだものと同一ではありません。報徳と京都商の決勝(81年夏)が載っています。懐かしさに思わず手を出して、結局ほかに読みたい本もなかったので、買ってきました。<br /><br />家に帰ってから、いったい何年に改訂されたのだろうと思ってネットで調べてみましたが、諸説入り乱れていて、さっぱりわかりませんでした。こんな具合です。<br /><ul><li>1971年04月(トルソーワールド) </li><li>1978年03月(文庫シェルフ) </li><li>1985年06月(Yahoo!ブックス) </li><li>1986年06月(JBOOK) </li><li>1989年04月(アマゾン) </li><li>1989年05月(楽天) </li><li>1993年05月(古本市場) </li><li>1995年01月(日本の古本屋)</li><li>1995年03月(ブックオフ、紀伊國屋書店) </li><li>1996年06月(福岡県立図書館、紀伊国屋書店)</li><li>1997年04月(紀伊国屋書店、楽天) </li></ul><p>私が買ってきた本には、目次の前に「改訂版発行に当たって」が添えられていますが、そこには何年何月という記載がありません。文中には<span style="color:#339999;">「昭和56年からは圧縮バットの禁止が云々される」</span>とありますので、1981年以降であることはわかりますけど…。<br /><br />著者の大島氏は、大塚産業(長浜市、1948と1949年に北陸代表で都市対抗連続出場)から1950年に松竹ロビンスに入団、29歳のサウスポーは防御率2.03で20勝をマークして新人王と防御率1位のタイトルをとり、セリーグの初代王座獲得に貢献しています。</p><p>1950年は2リーグ分立の年であり、日本シリーズ(当時は「日本ワールドシリーズ」の名称)は松竹ロビンスと毎日オリオンズの対戦でした。第1回日本シリーズ第1戦の先攻はオリオンズです。ロビンスの先発は大島氏でした。<a href="http://set333.net/puro16siri-zu.html#50">日本シリーズ最初のマウンド</a>に上がった投手が大島氏ということになります(延長12回完投で敗戦投手)。<br /><br />大島氏は1955年限りで現役を退いていますが、1959年春にクーパースタウンを訪れたそうです。</p><blockquote><span style="color:#339999;">おなじみのベーブルースや、タイカップにまじって、84名の功労者の胸像が、おごそかに壁に掲げられてありました。その中に、ヘンリー・チャドウィックという名前を見つけましたが、ほかのひとのように野球帽をかぶっていないのです。そうです。この人が記録の考案者だったのです。 </span>(12~13ページ) </blockquote>イギリス生まれのチャドウィックはアメリカでスポーツ記者を務め、クリケットのスコアカードをもとにボックススコアを考案したと言われています。打率や防御率もチャドウィックが起源だそうです。<br /><br />さて、思わず「ほんとか?」と突っ込みたくなるのは、次のくだりです。<br /><blockquote><span style="color:#339999;">最近日本でも、スコア・ブック持参で野球見物するのが、エチケットになってきました。記入方法は決してむずかしくありませんから、ぜひ、この傾向をひろげてゆきましょう。<span style="color:#333333;"><略></span>昨今、日本でもだんだんそうなりましたが、海の向こうのアメリカでは、ずっと前から女性でさえスコア・ブックや、グラブを手にしてグラウンドに現れます。 </span><span style="color:#333333;">(11ページ)</span></blockquote>「最近」や「昨今」が何年のことなのかわかりませんが、ひょっとするとそんな時代が日本にはあったのかもしれません。まあ、著者の希望的観測にすぎないのでしょうけど…。<br /><br />私自身は、スコアをつけずに野球を見ていると手持ちぶさたで仕方がないのですが、だからと言って、よそ様に積極的にお勧めしようとは思いません。<span style="color:#339999;">「自分なりにスコアをつけてみてはいかがだろうか」</span> とは書いています(<a href="http://set333.net/kodawari02irabu.html#02">「スコアの記入法」</a>)が、あくまでも<strong>興味があれば</strong>の話です。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-5795362482006421670?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-62733415785818991152007-10-23T03:28:00.000+09:002007-12-29T03:20:41.848+09:00深夜球場|赤瀬川隼●書名:深夜球場<br />●著者:赤瀬川隼<br />●版元:文春文庫<br />●出版:95年06月(単行本は87年08月『梶川一行の犯罪』)<br />●定価:460円(税込)<br />●評価:定価以上<br /><br />古本屋に105円で出ていました。アマゾンではユーズド1円から出ていますが、340円の送料を払う価値はあります(私はアマゾンは利用しないので、送料・手数料がそんなに必要だとは知りませんでした)。どうやら、今は絶版になっているようです。古本屋でもオークションでも50円から200円が相場のようです。<br /><br />赤瀬川氏は赤瀬川原平(尾辻克彦)氏の実兄であり、本書に収録されているのは6編の短編小説です。<br /><br />冒頭の「オールド・ルーキー」には、こんな一節があります。<span style="color:#339999;">「ゲームーム以外にプロが見せるべきものはない」</span>と、いささか窮屈な考えを持つ職人気質の主人公・雄太の言葉です。<br /><span style="color:#339999;"><blockquote>数字は野球の墓場なんだ。数字が記録された瞬間に、その元となったプレーは消えてるんだ。野球そのものは、何も作らないし、何も残さない。一瞬一瞬、すばらしいプレーや、まずいプレーや、面白いプレーが生まれては消えていく。残るのは思い出だけさ。</blockquote></span><br />そうすると、記録マニアである私は「墓場」をもてあそんでいることになります…。うーん。<br /><br />文庫版表題作の「深夜球場」でも、偏屈な往年の名選手が主役です。語り手となる主人公も大学を卒業しながら、後楽園球場で夜警のアルバイトをして、自転車による世界一周を夢見ています。<br /><br />単行本表題作の「梶川一行の犯罪」の梶川は、極めつけの偏屈者かもしれません。語り手の立花も似たようなものですが…。立花は梶川と川崎球場のスタンドで出会います。<br /><span style="color:#339999;"><blockquote>「ホークスのファンですか?」<br />すると、立花を一瞥した男の顔に明らかに不快げな表情が走った。そして答えた。<br />「いや、別に」<br /></blockquote></span><br />実生活で野球ファンであることを口にすると、必ずと言っていいほど、どこのファンなのか尋ねられます。そんなことを聞かれても困ります。実際、私は別に特定のチームを応援しているわけではありません。<br /><br />ご期待には添えませんが、「アマチュア野球を見ていますから、特別どのチームのファンと言うことはありませんよ。どのチームに行くか、アマのときはわかりませんし…」と答えています。こういうやりとりが面倒なので、自分からは野球ファンだと言わないようになって、もうずいぶんたちます。<br /><br />5編目の「K・T」は、故・田中角栄氏を彷彿させる人物が出所後、新潟にプロ野球チームを発足させる物語です。K・Tがオーナーとなった新潟コシヒカリ球団は甲府レッズとの試合を川中島球場で開催します。<br /><br />「川中島ダービー」は、アルビレックス新潟とヴァンフォーレ甲府の対戦として実現しています。「K・T」の初出は『オール読物』誌の1983年7月号です。川中島ダービーがJ1で実現したのは2006年でした(J2では03年)。赤瀬川氏のアイデアは、20年後に違う競技で現実のものとなりました。NPBはこれを恥ずかしく思わなければならないのです。<br /><br />最後の「デザートはリンゴ」は、八百長を要求した一味が東京ジャガーズの主力打者・秋月の一人息子を誘拐するステリー風味の秀作です。これを長編で読みたかった気がします。子供が危険に晒されており、チームに優勝の目はなく、首位打者も確定的なのに、秋月は要求に屈しません。<br /><br />初出は『ミステリマガジン』誌の87年5月号です。1985年のセリーグ本塁打王はバースでした。バースの記録は54本です。86年セリーグでは.333の同率で期せずして?並んだ2人が首位打者を獲得しました。赤瀬川氏のメッセージが込められているように思われます。<br /><br />さて、あまり私の好みではない4編目の「それぞれの球譜」がお気に入りだというサイトがありました。当該サイトの別のページにリンクしておきます。古本を買うと、メモやレシートや名刺が挟み込まれていることがよくありますが、さすがに私は紙幣にはお目にかかったことはありません。<br /><br />外部リンク<br /> <span style="color:#ff99ff;">■</span>PUNCH THE CLOCK!><a href="http://www.asahi-net.or.jp/~vz6g-iwt/drops/drops.html">古本の忘れ物</a><div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-6273341578581899115?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-6141413680898663137.post-33723066389204389292007-09-12T22:53:00.000+09:002007-12-29T03:21:25.127+09:00嗚呼!! 明治の日本野球|横田順彌●書名:嗚呼!! 明治の日本野球<br />●著者:横田順彌<br />●版元:平凡社(平凡社ライブラリーoffシリーズ)<br />●出版:06年05月<br />●定価:1680円(税込)<br />●評価:1000円以下なら<br /><br />筆者のヨコジュンさんは、一般的にはSF作家ということになるでしょうが、明治時代のいわゆる「古典SF」研究の草分けとしても知られています。明治期の野球に関する著作はこれが初めてというわけでもありません。<br /><br />新刊で買うつもりでしたが、livedoorBOOKSに1103円で出ていました。しめた!と思って、ためらうことなく注文しました。送料無料となる1500円をクリアするために、例の<a href="http://set333.blogspot.com/2007/10/blog-post_8632.html">『甲子園のヤジ』</a>を掴まされたという次第です。まあ、「定価相応」でもいいのですが、文庫本に1600円払うのは誰しも抵抗があるものでしょう。<br /><br /><blockquote><span style="color:#339999;">いったい私立の学校が野球を奨励するのは全く学生の吸引策で、野球の強い学校には志願者が多い。学生というものは考えの浅いもので春季に行う陸上運動会の盛大な学校さえ入学志願者が多い。それ故に私立中学校などで運動会の節小学生を招待して盛大なる有様を見せると志願者がたいそう多くなる。こんな有様だから早稲田、慶応は野球を奨励して外国まで選手を出しているであろう。(座に秋田中学校長湯目補隆氏あり、いわく)私立学校は学問の切り売りである。真面目な教育上の考えでやっているのではない。いわば商売なのだからお客様は多かれ月謝は高かれでやっている。したがって、野球のごとき好広告があれば取って以て利用するのは理の当然である。早稲田、慶応その他野球を奨励する学校当局者の考えでは選手は▲生きたる広告楽隊で旗を押し立てたり笛太鼓を鳴らしたりして市中を広告し廻らせてあるものと思っているのだ。</span> (210-211ページ)</blockquote>これは、『東京朝日新聞』が1911(明治44)年8月29日から連載を始めた、いわゆる「野球害毒論」の一節です。川田府立第一中学校長の談となっています。「特待生」問題とは古くて新しい問題であって、唯一違うのは当時は目の敵にされた早慶が今ではけっしてそういう立場には立っていないということです。<br /><br />さて、朝日の「野球とその害毒」に対して、毎日の前身『東京日日新聞』では安部磯雄氏らが反論を始めます。366ページに及ぶこの本の後半は害毒論争に費やされています。<br /><br />カバーの裏表紙には「新聞紙上で闘われた奇妙奇天烈な野球害毒論争」と記されていますが、すくなくともその一部は96年後の今年、再現されたわけです。田名部氏や脇村氏はよせばいいのに不用意に「野球は特別」と言って叩かれましたが、その特別な歴史はここまで遡る必要があります。<div class="blogger-post-footer"><img width='1' height='1' src='https://blogger.googleusercontent.com/tracker/6141413680898663137-3372306638920438929?l=set333.blogspot.com'/></div>ワトソン君http://www.blogger.com/profile/15078235362894574162noreply@blogger.com0